ハンガリーの世界遺産「ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(5)
登録年1987年

ホッローケーは、首都ブダペスト北東に位置している小さな村です。「ハンガリーで最も美しい村」と称されるのどかな村は、パローツ様式と呼ばれる白い壁と入母屋造の屋根が特徴の可愛らしい家々が並ぶことで有名。17〜18世紀にかけて発展したこの村は、伝統的な建造物が今でも多く残っているということが評価されています。

ここでは、ホッローケー古村落とその周辺地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ホッローケーについて詳しくなること間違いなし!

目次

ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区とは?

ホッローケー城」/ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区
画像素材:shutterstock

ハンガリー北部のノグラード郡にあるホッローケーは、パローツ人が今でも住む村。ホッローケーはブダペストの北東約100kmにあり、日帰りで訪れることができることから観光地としても人気。パローツ様式の伝統的邸宅は55ヶ所、他には農業関連の建築物や教会が登録されています。

村から少し離れた丘の上にある、13世紀に造られた「ホッローケー城」も構成資産に含まれています。もともとホッローケーはハンガリー語の「ワタリガラス」から由来するとされ、カラスたちによって城が建てられたという伝説もあるほど。

ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区
画像素材:shutterstock

城は16世紀に村がオスマン帝国に占領される頃にはかなり荒れ果てていました。17世紀には完全に放棄され、人々は丘の下に村を作り、住み始めます。一本の道の両脇に家が建てられ、その裏側に次世代の家族がさらに家を建てるというのがパローツの人々の伝統で、やがて村は拡大していきました。

19世紀にはほぼ現在の区画となりましたが、ほとんどの建造物は1909年の火事で崩壊してしまって、20世紀初頭に再建されたもの。木造の建造物であることが伝統ではありましたが、現在は素材として石も使用しています。

運が良かったのか、この地域には畑や果樹園はあれど開発されることもなく、20世紀末まで村の人々は自給自足の生活を続け、村の景観はほぼそのままの状態で残ったのです。そして、生きた博物館とも言うべき村は1987年に世界遺産として登録され、世界的に評価されました。

ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ホッローケー(ホッロークー)古村落とその周辺地区
画像素材:shutterstock

ホッローケーが評価されたのが、以下の点。

登録基準(v)
ホッローケーは、産業革命によってほとんど消え去った、伝統的な農村の暮らしを現在まで残しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ホッローケーは伝統的なパローツ様式の家々が今でも残っており、現在ではほとんど失われた農村の様子が分かるという点で評価されているのです。これって実はすごいことで、世界でもこんな村はほとんどないでしょう。

とはいえ、世界遺産に登録されていることもあり、もはやハンガリー有数の観光地。現地ではシーズンになると、パローツ様式の民族衣装を着た女性たちがお菓子を作ったり、ダンスを踊ったりしてくれます。そして、観光客向けにパローツ様式の工芸品や彫刻なども伝統的家屋を改装した工房で販売。

…あまりの観光村っぷりがすご過ぎて「なんだかなぁ…」と思うかもしれませんが、ここはもともと枯れた土地で農地としても微妙だったエリアということを忘れてはいけません。この観光産業もこの村の「自給自足」の精神の表れなのです!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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