登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (4) |
登録年 | 2000年 |
チェコ東部・上モラヴィア地方に位置するオロモウツ。ここはチェコ第5の都市で、かつては司教座が置かれたこともある宗教都市。旧市街に残る高さ35mの三位一体柱は、18世紀に建造され、彫像と浮き彫りで構成された、中欧を代表する宗教的記念柱でもあります。
ここではオロモウツの聖三位一体柱がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オロモウツの聖三位一体柱について詳しくなること間違いなし!
オロモウツの聖三位一体柱とは?
モラヴィア地方の中部にあるオロモウツは、古代ローマ時代に建造されたという伝説があるほどに古い都市で、11世紀にボヘミア(チェコ西部)の王がここに司教座を設置したことから、ローマ・カトリックが信仰されてきた場所でした。そして、宗教的建造物が多く作られ、文化財の保有数はプラハに次ぐというほど。
旧市街の中心部にあるホルニー広場には、18世紀に建造された「聖三位一体柱」があります。三位一体とは、ローマ・カトリックの基本教義で、父である神、その子であるイエス・キリスト、聖霊が同じであるということ示すもの。建築家ヴァーツラフ・レンダーやその弟子たちは、バロック様式の建築物が多い、この地域に合わせて、頭頂部に金箔を貼り、30以上もの彫像、20の浮き彫りを施した豪華絢爛な柱を建造しました。これは中欧を代表する宗教的記念柱として評価されています。
オロモウツの聖三位一体柱はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
オロモウツの聖三位一体柱が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
オロモウツの聖三位一体柱は、中欧のバロック建築の最も優れた芸術品の一つであるという点。
登録基準(iv)
オロモウツの聖三位一体柱は、バロック建築が広まった時代の中欧独自の信仰を示す宗教的建造物であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
オロモウツはバロック建築が並ぶ町並みだけあって、聖三位一体柱は街を代表する建造物であり、これはローマ・カトリックの信仰を示すもの。中欧のバロック建築でも優れた記念碑として評価されています。
ちなみに、1997年に暫定リストとして世界遺産に申請したときは、周囲の記念柱や噴水を含めていたのですが、結局評価されなかったため、最終的に聖三位一体柱だけを再申請したら登録されたという経緯があります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。