登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (3), (5) |
申請年(暫定リストに記載) | 2007年 |
イラン西部の山岳地帯にあるホッラマバード渓谷は古くからの人類の定住地で、特に市内にあるファラコル・アフラーク要塞など、考古学遺跡が多く点在します。
ここではホッラマバード渓谷の先史時代洞窟群とファラコル・アフラーク建造物群がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ホッラマバード渓谷の先史時代洞窟群とファラコール・アフラク建造物群について詳しくなること間違なし!
ホッラマバード渓谷の先史時代洞窟群とファラコル・アフラーク建造物群とは?
ホッラマバードとは、イラン西部ロレスターン州の州都。この地は4000m級の山もそびえるザグロス山脈にありながらも、イランを流れる河川の源流でもあり、動植物も多く見られる肥沃な土地が広がっていることから、4万年にも渡って人々が暮らしてきました。
渓谷には旧石器時代の住居遺跡など、古代遺跡が点在していてイランの古代文明の研究にとって重要な場所となっています。市内には、観光名所でもある「ファラコル・アフラーク要塞」があり、これはサーサーン朝時代(224〜651年)に建造された要塞で、現在は2つの塔だけが残りますが、もともとは12の塔と2層の城壁があったとされ、丘陵地帯を見事に利用したものでした。
ホッラマバード渓谷の先史時代洞窟群とファラコル・アフラーク建造物群はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
ホッラマバード渓谷の先史時代洞窟群とファラコル・アフラーク建造物群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
登録基準(v)
ロレスターン州の高地と山々に囲まれているものの、水が豊富で動植物が多く見られることから、4万年前から人々が暮らす地であり、イランでも古い歴史を持つ地でもあります。ホッラマバード渓谷には、洞窟や岩絵、遺跡など、先史時代のものが20ヶ所以上、さらに遺丘が20ヶ所、遺跡は15ヶ所も点在するという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ホッラマバード渓谷は先史時代から人々が定住していて、それは洞窟などで痕跡を残し、さらにファラコル・アフラーク要塞など、後の時代でも重要な地であったという証拠が各地で見られるという点で評価されています。
ちなみに、ロレスターンとは「ロル族の国」という意味で、ここは古くから遊牧民であるロル族が暮らす地で、イランのイスラム教でも主流派である十二イマーム派のイスラム教を信仰している人が多いものの、山深い地であることから、独自の言葉を持ち、他とは異なる信仰も見られることから、イランの中でもミステリアスなエリアでもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。