パキスタンは南アジアに位置する国で、インダス文明を生んだインダス川流域では、農業が盛んです。ここは中東と中央アジア、インドを結ぶ場所であったことから、古くから文明が栄え、世界遺産に登録された遺跡もあります。ところで、パキスタンの世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、パキスタンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
モヘンジョダロの遺跡群
モヘンジョダロは、「死の丘」という意味で、南アジアで最も保存状態の良い都市遺跡。インダス川の右岸にあり、カラチから北東に510 km、ラルカナから南に28kmの位置にあります。ここは世界4大文明の一つとしても有名なインダス文明を代表する都市で、紀元前2500〜1500年に栄えた都市。
西側に城塞、東側には整備された市街地があり、人類初期の都市計画によって作られた都市の姿を現在でも残しています。
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タキシラ
タキシラの遺跡は、パンジャーブ州にあり、首都イスラマバードから北西へ約40km。ここは中国とヨーロッパを結ぶシルクロードの中継地でした。タキシラは紀元前6世紀に遡る都市遺跡であり、インド方面の仏教の中心地として紀元5世紀まで栄えました。ここには年代ごとに異なる3つの都市遺跡が南から並んでいます。
こはペルシャやギリシャ、インドの文化の影響を受けた仏教の中心地でもありました。
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タフテ・バヒーの仏教遺跡群とサハリ・バハロールの近隣都市遺跡群
パキスタン北部にあり、アフガニスタンとの国境沿いに広がるカイバル・パクトゥンクワ州。ここはガンダーラ地方と呼ばれ、クシャーナ朝(不明〜375年)のカニシカ王(在位144年頃〜171年頃)によって築かれた仏教寺院、タフテ・バヒーがありました。彼は仏教を手厚く保護したことで有名。
タフテ・バヒーは7世紀まで密教の中心地であり、仏塔や僧院などが存在し、ガンダーラ様式の仏像も発掘されるほど。近くには同時代の要塞都市であったサリ・バロールがありますが、現在は遺構のみが残存。
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ラホールの城塞とシャーラマール庭園
ラホールは、パキスタン北東部のパンジャーブ地方にある都市。人口はパキスタンでも第2位と、現在でも大都市です。街は11世紀頃から何度か栄枯盛衰を繰り返すも、最も栄えたのは16〜18世紀のムガル帝国時代。
ラホール城は大理石の宮殿やモスクのある壮麗な建築物で、シャーラマール庭園には3つのテラスがあり、水路が張り巡らされた美しい景観が広がっています。
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タッターの文化財
パキスタン南部のシンド州。インダス川の三角州の手前にあるタッターは、かつてのシンドの中心地として繁栄。特に14世紀から18世紀にかけて、サンマー朝、アルハン朝、ダルハーン朝の首都が置かれ、現在のインドを中心としたムガル帝国にも支配されたものの、18世紀にペルシャ(現在のイラン)によって破壊されてしまい、町は放棄されます。
登録エリアには、ムガル皇帝のシャー・ジャハーンが建造したモスクや、イスラム世界の最大の墓地であるマクリの丘などの文化財が今でも残存。
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ロータス・フォート
パキスタンの北東部パンジャーブ州に位置する要塞で、ここはインドとの国境近くにあるラホールからアフガニスタンとの境にあるペシャーワルの途中にあるため交通路を防衛するために建造されたもの。要塞はインド北部を支配したスール朝(1539〜1555年)の創設者シェール・シャーによって建造。
この地には世界最大級の岩塩鉱山があり、外敵や周囲の部族から保護するために4km以上に及ぶ堅固な要塞が築かれ、中央・南アジアにおけるイスラムの優れた軍事建築となりました。
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世界遺産マニアの結論と感想
パキスタンは、世界4大文明の一つ、インダス文明を生んだ場所であることから、モヘンジョダロだけでく、アジアの歴史を感じさせる文化遺産が6つもあり、自然遺産はないことから、世界遺産としては6件。まだまだ暫定リストとして保存状態の良い遺跡もあるので、今後も世界遺産も増えていくでしょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。