登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 1984年 |
マラウイ湖は国土の4分の1を占める長細い湖。世界遺産に登録されているのはその南部だけですが、ここは1年を通じて気候が一定で産卵期がなく、数百もの魚類が生息。マラウイ湖は「湖のガラパゴス諸島」と呼ばれるほど固有種が多く、特にシクリッド科の魚類が豊富に見られます。
ここではマラウイ湖国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マラウイ湖について詳しくなること間違いなし!
マラウイ湖国立公園とは?魚類の種類が豊富
アフリカ南東部にあるマラウイ湖はモザンビーク、マラウイ、タンザニアにまたがる巨大な湖です。面積は2万9600平方kmで水深は706m。アフリカでも2番目の深さを誇り、透明度が高く、気候が一年を通じて一定で産卵期がないというのが特徴です。
世界遺産として登録されているのは、マラウイ側の南端部で94平方kmのみ。しかし、ここはガラパゴスと匹敵する多くの固有種が見られ、特にシクリッド科の魚類は種類豊富。これはマラウイ湖の固有のものが多く、生物の進化を示す例であるという点で貴重なもの。そのため、マラウイ湖は「湖のガラパゴス」とも呼ばれています。
シクリッド(アフリカン・シクリッド)
スズキ目シクリッド科の魚で、マラウイ湖に住むものは、ブルー、イエロー、ピンクなど、さまざまなカラーのシクリッドがいて、これらは沿岸にある藻類や微小生物を食べているので色が付くといった仕組み。繁殖方法は独特で「マウスブルーダー」という雌が口の中で卵を孵化させ、口の中で育てるというもの。
ここでは350種の以上のうち5種を除くすべてが固有種となっていて、これが「湖のガラパゴス」と呼ばれる理由ともなっているのです。
マラウイ湖国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
マラウイ湖が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
アフリカで2番目に深い湖に12の島々が点在するという美しい景観が広がるという点。
登録基準(ix)
マラウイ湖に住むシクリッドはガラパゴス諸島のフィンチと同じように適応放散(環境によって同じ種がそれぞれ進化すること)であり、生物の進化の優れた例が見られるということ。
登録基準(x)
マラウイ湖はシクリッドなど約1000種もの魚が見られるというのが特徴で、世界の湖の中で最大の魚種が見られ、淡水魚の多様性において優れているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
マラウイ湖は「湖のガラパゴス」と呼ばれるだけあって、特にシクリッドの適応放散が見られるという点で評価されています。さらに湖の風景も美しいですが、世界の湖でもトップクラスの魚種が見られるというのもポイント。
ちなみに、シクリッドというとエンゼルフィッシュのイメージがありますが、こちらはアメリカン・シクリッドの仲間。熱帯魚としての人気はこちらのほうが高いかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。