登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7) |
登録年 | 2012年 |
チャド北東部はサハラ砂漠でも最も気温が高く、乾燥した地帯。この地には地下水を水源とした18の湖があり、これらはウニアンガ・ケビルとウニアンガ・スリの2つのグループに分かれていて、塩湖や超塩湖、淡水湖など、それぞれカラフルで美しい湖が続いています。
ここではウニアンガ湖群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウニアンガ湖群について詳しくなること間違いなし!
ウニアンガ湖群とは?
チャドの北部はサハラ砂漠に属していて、特にウニアンガ湖があるエリアは、年間洪水量が2mm以下という乾燥地帯となっています。ここは現在は盆地ではあるものの、約1万年前には大きな湖が存在していたのですが、後に乾燥したため、地下には当時の水が蓄えられ、現在は18もの湖が形成されています。
ウニアンガには、塩湖や超塩湖、淡水湖など、それぞれカラフルで美しい湖が続いていて、世界遺産としては約628平方kmの敷地にウニアンガ・ケビルとウニアンガ・スリという40kmほど離れた2つのグループで分かれています。
ウニアンガ・ケビル(大ウニアンガ)
西側に位置する4つの湖群。ここには最大の湖「ヨアン湖」があり、深さは27mもあるののの、塩分濃度がかなり強く、湖には藻類と微生物しか存在しないというほど。
ウニアンガ・スリ(小ウニアンガ)
東側に位置する14もの湖。こちらはアシなどで覆われた湖が続き、これにより蒸発を緩和し、それぞれの湖には魚などの水生生物が生息しています。
ウニアンガ湖群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウニアンガ湖群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ウニアンガ湖群は、塩分濃度が高いことから赤や緑、青などカラフルで美しい湖が見られ、まるで風によって砂漠を流れる「波」のような形となっています。これらは砂漠地帯に存在する、枯れることなく存続する湖の稀有な例であり、地下の帯水層に関連する景観が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ウニアンガ湖群は、サハラ砂漠でも最も厳しい環境の中にあるのもかかわらず、かつて存在していた湖が地下に溜まり、現在は地下から溢れ出る湖がいくつか並び、それが砂漠環境と相まって美しい景観となるという点で評価されています。
ちなみに、現在はかなり広大なサハラ砂漠は拡大と縮小を繰り返していて、5000年前からは砂漠が拡大しています。そのため、砂漠に残る遺跡からは、かつて家畜を育てられるほどに水がある豊かな生活を送っていたということが分かっていて、砂漠エリアの生活の変化が見られます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。