登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8) |
登録年 | 1999年 |
カナダ東部に位置するミグアシャ国立公園は、古生代デボン紀(約4億1600万年前〜約3億5920万年前)の化石が多く発掘された地。化石は魚類と無脊髄動物、植物などさまざまな種が見られますが、四肢動物の起源である「エウステノプテロン(ユーステノプテロン)」の化石が発掘されたことでも有名です。
ここではミグアシャ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ミグアシャ国立公園について詳しくなること間違いなし!
ミグアシャ国立公園とは?
ケベック州の南東部にあるガスペ半島の南岸にあるミグアシャ国立公園は、デボン紀の化石が多く発見された場所。デボン紀はおもに魚類が繁栄した時代で、その時期の地層としては世界でも有数の化石の産地でもあります。ここはかつては赤道近くに位置していて、河口部には多くの魚類が生息。その中でも短期間だけ水の外に出られる種も存在していました。
19世紀になると、ここでは3億7000万年前に生息していた魚類が発見され、デボン紀に生息していた6つのグループのうち5つが含まれるほどに多くの種が発掘。特に「エウステノプテロン」と呼ばれる、指のようなヒレを持つ魚類の化石も発見され、これは対鰭(胸鰭と腹鰭)を持ち、魚類から両生類への進化の過程が見られ、陸棲の四肢動物のルーツ的存在でもあります。
ミグアシャ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ミグアシャ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
ミグアシャ国立公園は、魚類の時代であったデボン紀の化石の世界最大の産出地であり、「エウステノプテロン」のように陸生の四肢動物のルーツ的存在でもある脊髄動物の進化が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ミグアシャ国立公園は、世界でも最大のデボン紀の化石の産地でもあり、それらは保存状態も良く、魚類から四肢動物への進化を示す「エウステノプテロン」の化石が発見された地層であるという点で評価されています。
ちなみに、ここでは原始的なシーラカンスの「ミグアサイア・ブレアウイ」の化石も発見されていて、これも肉鰭類(にくきるい)というグループに属します。エウステノプテロンは小魚を食べていたとされ、肉食性の魚だったと考えられているので、割と荒々しい魚だったのかもしれません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。