ブルガリアの世界遺産「ピリン国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7), (8), (9)
登録年1983年(2010年拡大)

ブルガリアの南西部に位置するピリン山脈の中でも、ヴィクレン山(標高2915m)を含め、70を超える氷河湖や滝、洞窟などが点在する広大なエリアです。ここはブルガリアで生息する植物の約3分の1が見られることでも有名。

ここではピリン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ピリン国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

ピリン国立公園とは?

画像素材:shutterstock

ブルガリア南西部のブラゴエヴグラト州に位置するピリン山脈。ここはヴィクレン山(標高2915m)を含む、標高1008〜2915mもの山々が連なる高山地帯で、約27平方kmもの広大な敷地が登録されています。ここはブルガリアでも最大の自然公園で、70を超える氷河湖や滝、洞窟という多様な景観が見られるのが特徴。

特に植物相が豊かで、ブルガリアの固有種は17種、ピリン一帯の固有種は18種も生息し、ここで見られる植物はブルガリアの植物の約3分の1に相当するというほど。そして、針葉樹の森が広がる石灰岩の山々が見られ、中には樹齢1300年を超えると推定されている「バイクシェフの松」という巨大なボスニアマツの木も見られます。動物相はヒグマやオオカミだけでなく、イタチ科のマツテンも含まれ、ブルガリア全体の50%にも渡る45種もの陸生哺乳類が生息。

ピリン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ピリン国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
ピリン国立公園は、岩山が並び、牧草地や川が広がるというバルカン半島の山々の美しい風景が見られ、並外れた美しさを誇るという点。

登録基準(viii)
ピリン国立公園は、地球科学という面での価値が高く、カール(圏谷)、深い渓谷、70を超える氷河湖など氷河の地形が見られ、山々にはさまざまな岩石の種類が見られます。ここは大地の継続的な進化の過程を研究することを可能にし、この地域の高地の地形を理解するのに役立っているということ。

登録基準(x)
ピリン国立公園の針葉樹林には、マケドニアマツやボスニアマツが見られ、樹齢も長い木々も存在。維管束植物は1315種も見られ、これはブルガリアの植物相の約3分の1に相当し、バルカン固有種86種、ブルガリア固有種17種、ピリン地方の固有種18種が含まれています。動物相はヒグマ、オオカミ、イタチ科のマツテンを含む45種の哺乳類と、159種の鳥類が見られ、他にも8種類の両生類、11種類の爬虫類、6種の魚類が生息。ここは植物の継続的な進化が見られる地であり、バルカン半島の高山地帯の生物多様性を保護しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ピリン国立公園は、氷河によって形成された地形が見られ、大地の継続的な進化の過程を知ることができ、バルカン半島特有の固有種だけでなく、ブルガリアの植物の約3分の1が見られるというほどに生物多様性が見られるという点で評価されています。

ちなみに、麓にあるバンスコは東ヨーロッパでも人気のスキーリゾート。冬だけでなく、フジロックと同じく、ジャズフェスティバルやコンサートも開かれ、割とヨーロッパでは知られたエリアでもあるのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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