登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4),(5) |
登録年 | 1982年 |
キューバの首都ハバナは、1519年にスペインの征服者ディエゴ・ベラスケスによって設立。17世紀には造船業で繁栄し、旧市街にはバロック様式と新古典主義様式の美しい建築物が並んでいます。そして、海賊から街を防衛するために4つもの要塞が建造されました。
ここでは、ハバナ旧市街とその要塞群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オールド・ハバナについて詳しくなること間違いなし!
ハバナ旧市街とその要塞群とは?キューバのどこにある?
1519年頃にスペインの征服者ディエゴ・ベラスケス(1465〜1524年)が、キューバ島の北西部に築いた都市が現在のオールド・ハバナ。やがてアメリカ大陸の砂糖やタバコ、奴隷交易の中心地となりました。街には17世紀になり、造船所が作られるようになると、18〜19世紀ころに最盛期を迎えます。
旧市街は碁盤の目状に区画整理され、植民都市として優れたもの。旧市街は18〜19世紀に建造されたものが多く、スペイン・バロック様式の建造物が多く見られます。旧市街と郊外には都市全体を守るように石造りの4つの要塞も整備されました。
登録されている主な構成資産
ハバナ大聖堂
旧市街北東部のカテドラル広場に建てられたもの。18世紀に建造された大聖堂で、正式名称は「サン・クリストバル大聖堂」。スペイン・バロック建築を代表するもので、左右に大きな塔を持つことで有名。
カピトリオ
旧市街の西側に位置する大きな建造物。建設は1929年とアメリカのワシントンD.C.の連邦議会議事堂をイメージして建造されたもの。キューバ革命までは国会議事堂として使用されていました。
フエルサ要塞
旧市街の東に1558年に建設された要塞で、ハバナでも最古の要塞であり、南北アメリカで最も古い石造りの要塞。もともとは海賊による攻撃を防ぐために作られたものですが、港の奥にあったため、他の要塞に比べると優美なデザインに。
モロ要塞
16世紀建造。ハバナ湾の入口にある要塞で、20mもの高さの壁を持ちます。これはかつてイギリスの海賊フランシス・ドレークの攻撃を耐え抜いたとされるほど堅固なもの。
ハバナ旧市街とその要塞群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
オールド・ハバナが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
16〜19世紀にかけて、交易路を守る為に都市と周辺に作成された防衛施設は、アメリカ大陸で最古で現存する石造りの要塞であるということ。
登録基準(v)
ハバナの旧市街は、創設時から現在まで伝統的な建築物が多く立ち並び、カリブ海でも有数の歴史地区であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
この世界遺産は、16世紀に建造された旧市街が、街の拡大とともに防衛施設が増設され、カリブ海でも有数の要塞都市として成長した姿が残るという点で評価。そして、旧市街にはスペイン・バロック様式の建造物など、街の発展とともに美しい建築物が並ぶようになったというのもポイント。
ハバナといえば、クラシックカー。これは1961年のキューバ危機によってアメリカとの国交が断絶されると、以前に輸入したアメリカ車を親子から子へ受け継いだという背景もあり、今でもビンテージカーが現役だったりします。よくこれを使ったツアーなどが行われますが、2015年に国交も正常化され、今ではクラシックカーもどんどんと減ってきているというのが現状。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。