登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (3), (5), (6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2017年 |
各地で利用されているオリーブ・オイルの世界最大の生産地はスペイン。そして、スペイン南部のアンダルシアのオリーブ畑の数はヨーロッパでも最大規模となっていて、まるでオリーブの「海」のよう。ここは古代から現代までオリーブ産業や文化が発展したという文化的景観が広がっています。
ここではアンダルシアのオリーブ景観群-時を越えたオリーブ林の海物語がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アンダルシアのオリーブ景観群について詳しくなること間違なし!
アンダルシアのオリーブ景観群-時を越えたオリーブ林の海物語とは?
スペイン南部のアンダルシア州は、新石器時代からオリーブが飼育されてきました。この地がローマ帝国の属州ヒスパニア・バエティカと呼ばれていて時代には、既にオリーブ・オイルを帝国各地に供給していて、現在でもアンダルシアの農業遺産であり、この地の経済だけでなく、文化や歴史の一部となっています。ここには約7000万本のオリーブが広がっていて、まさに「オリーブ林の海」としてヨーロッパ最大の農園といえるもの。
この地では「オリーブ畑法」と呼ばれる独自の法律を持つほどに農業計画を推進していて、全世界のオリーブの約30%、食用オリーブの約20%がこの地で生産されているというほど。ここは15もの構成遺産となっていて、オリーブ畑だけではなく、農家や道具小屋、搾油所など、オリーブに関連する文化的景観として登録されているもの。
アンダルシアのオリーブ景観群-時を越えたオリーブ林の海物語はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
アンダルシアのオリーブ景観群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
オリーブ畑の景観は、世界の基本食料であるオリーブ・オイルを含むオリーブ栽培を中心とした文化が発展した証拠が残り、現在でもその風景の中で、伝統が今でも守られているという点。
登録基準(v)
アンダルシアのオリーブ畑の景観は、痩せた土地や乾燥地帯に対して伝統的な土地利用が何世紀にも渡って見られ、人間と環境の相互作用が見られるということ。
登録基準(vi)
オリーブオイルは、料理や化粧品などで「生きた伝統」と結びついていて、栽培における道具だけでなく、祭りや料理の知識など、植物という枠組みを超えた価値が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
スペインのアンダルシアは、世界でも最大のオリーブオイルの産地であり、広大な農園では乾燥地帯を利用してオリーブ農園を発展させ、それにまつわる文化が生まれていき、今でも各地でその文化的景観が見られるという点で評価されています。
ちなみに、オリーブオイルの発祥はスペインではなく、ギリシャのクレタ島やパレスチナが発祥とされています。それもあり、国民一人の消費量が最も多いのはギリシャとするデータが多く、クレタ島の人々は年間で120lも使用するとか…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。