アルジェリアの世界遺産「タッシリ・ナジェール」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分複合遺産
登録基準(1), (3) (7), (8)
登録年1982年

タッシリ・ナジェールは、アルジェリア南東部、サハラ砂漠に広がる500kmほど続く山脈。この地に残る1万5000以上の岩絵は、紀元前6000年前からこの地の気候や動物の変化、人間の生活の発展などを記録してきました。まるで森のように岩山が広がり、美しい絶景が眺めることができます。

ここでは、タッシリ・ナジェールがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、タッシリ・ナジェールについて詳しくなること間違いなし!

目次

タッシリ・ナジェールとは?

タッシリ・ナジェール
画像素材:shutterstock

アルジェリア南東部のリビア、ニジェール、マリの国境をまたぐエリアで、敷地としては72万平方kmもの広さを誇ります。ここには先史時代の埋葬塚など、多くの考古学遺跡が残存。最も有名なのは動物や人間などを描いた岩絵で、なんと1万5000以上も残っています。そこには、動物だけではなく、人間同士の戦いや狩り、放牧の様子などがテーマとされており、実に多彩。

タッシリ・ナジェールとは、タマシェク語で「川が流れる台地」という意味。しかし、現在は乾燥した大地に干上がった川や谷などが続き「岩の森」と呼ばれる景観が特徴。現在は岩絵に描かれたような動物が多く住めるような環境ではないですが、岩絵などから予測するに、かつてはサバンナが広がり、緑豊かな地だったということが分かります。

タッシリ・ナジェールはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

タッシリ・ナジェール
画像素材:shutterstock

タッシリ・ナジェールが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
岩絵には牛が放牧されていた時期から馬、ラクダへと変化していくという、先史時代の最も有名な岩絵の一つであるという点。

登録基準(iii)
1万年前の岩絵からかつてここでは農業が行われ、牧歌的な風景が広がっていたということを証明しているということ。

登録基準(vii)
侵食された岩が形成される「岩の森」など、砂漠地帯の美しい景色を眺められるという点。

登録基準(viii)
地質学としては、先カンブリア時代の砂岩や結晶などが残っているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

タッシリ・ナジェールは、なんといっても岩絵が1万5000以上も残り続けているという点では、非常に珍しいエリアです。現在は、先カンブリア時代の地層も豊かで、侵食された岩が織りなす砂漠のアートを眺めることができるのも特徴。さらに、なんと6000年前はこの地は深い森であった可能性があるということに驚きですね!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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