チェコの世界遺産「ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1994年

ゼレナー・ホラ(緑の山)はチェコ南東部にあるモラヴィア地方にあり、この地にある聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会は、14世紀に殉教したプラハ大司教代理の聖ヤン・ネポムツキーゆかりの教会。ここは18世紀に建造され、五芒星の形をしたゴシック様式とバロック様式の中間に位置する独創的なスタイルを持つもの。

ここではゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会について詳しくなること間違いなし!

目次

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会とは?

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会
画像素材:shutterstock

チェコ東部にあるジュヂャール・ナト・サーザヴォウという小さな町にあるゼレナー・ホラ。ボヘミアの司祭だった聖ヤン・ネポムツキーは、プラハ大司教の代理ともなったものの、1393年にプラハで殉教し、後にローマ・カトリック教会の聖人になりました。彼はゼレナー・ホラの近くにあるネポムク出身であり、15世紀には彼が学んだシトー会の修道院が消失したために、ジュヂャール・ナト・サーザヴォウに修道院が建設されました。そして、列聖(聖人になること)が決定すると、1719年にはこの地に教会が建造され、1721年に完成しました。

ここはチェコ出身でバロック様式の建築家ヤン・ブラジェイ・サンティーニによる独特の作品で、ゴシック様式からバロック様式の移行期が見られるもの。上から見ると中央に五芒星(五角形)の形状の聖堂がありと、周囲は5つの礼拝堂と5つの門が連結した回廊で囲まれていてます。これらは後期ゴシック様式のもの。

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会
画像素材:shutterstock

聖堂内部は5つの壁龕があり、4つの副祭壇は、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネという聖書の福音書家の像が置かれ、主祭壇は聖ネポムツキーの像が配置。これらはサンティーニの作品で、彼の像には5人の天使と3人の少天使が見られるもの。さらには窓は三角形となっています。

この教会の設計や配置は5と3という数字が重視されていて、これは三位一体の3と、聖ネポムツキーがなくなった時に5つの星が輝いたという伝説から5という数字にちなむというのが特徴です。

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会
画像素材:shutterstock

聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会は、ゴシック様式とバロック様式の移行期に見られる建築様式の顕著な例であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会は、聖ヤン・ネポムツキーというカトリックの聖人をまつる教会ではありますが、建築的な価値としては、ゴシック様式とバロック様式の移行期にあたる建築物を代表するものであるという点で評価されています。

ちなみに、聖ヤン・ネポムツキーの舌は奇跡的に300年近くも腐らずに残っていて、これらは聖遺物としてカトリックが認めたことから聖人となりました。口が達者であったかどうかは不明ですが、ある意味「舌」の力によって聖人になった数少ない人物でもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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