オランダの世界遺産「王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウム」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(4)
登録年2023年

オランダ北部にあるフラーネカー市には、世界最古であり、世界最大の機械式のプラネタリウムがあります。これは18世紀の啓蒙主義時代に、アマチュアの天文学者エイセ・エイシンガ(1744〜1828年)によって建造されたもので、当時の国王や学者たちが絶賛するほどに優れたプラネタリウムでした。

ここでは王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムについて詳しくなること間違いなし!

目次

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムとは?

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウム
画像素材:shutterstock

オランダ北部フリースラント州のフラーネカー市には、現代も作動する世界最古・最大の機械式プラネタリウムがあることで有名です。プラネタリウムといっても、現代の投影式のプラネタリウムは当時は存在せず、もともとは機械式の惑星運行儀が主流でした。ここでは天井に太陽系の模型を造り、太陽を中心に歯車の回転によってアームに付けられた惑星の模型が回転させるという構造。

これは羊毛梳毛(そもう)業者であり、アマチュア天文学者であったエイセ・エイシンガによって建設されたもの。1774年に太陽系の4つの惑星と月が集まるという現象が発生し、これにより天体が衝突し、地球が終わるという噂で世の中が不安になったため、彼は自宅を改装し、1774〜1781年にかけて宇宙儀を製作し、人々にこれを見せて衝突が発生しないということを示しました。

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウム
画像素材:shutterstock

エイシンガのプラネタリウムは、当時は卓上型のプラネタリウムが主流だった時代に天井を改築して、見上げながら太陽系の軌道が分かるようになっているもの。縮尺は1兆分の1となっていて、水星、金星、地球、火星、木星、土星が同時に回転するという構造になっています。これは100枚を超える車輪や歯車を使用した時計仕掛けとなっていて、1万本を超える歯車用の鉄釘はエイシンガが自ら作ったもの。

ここは1825年に当時の国王ウィレム1世によって所有権が王国へと移り、1826年にエイシンガが亡くなると、彼の息子であるヤコブスによって引き継がれました。その後は、子孫たちがこの家に暮らし、現代も博物館として公開されています。

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウム
画像素材:shutterstock

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムは、1783年にここを訪れた数学者ヤン・ヘンドリク・ファン・スウィンデンによって称賛され、他国の一流の学者やジャーナリストから高い評価を受けているように、これは非常に優れたプラネタリウムで、惑星の軌道が一般人でも分かる、ユニークな機械であったという点。

登録基準(ii)
王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムは、啓蒙主義(理性や科学によって無知な人々を解放するという運動)の価値観と、アマチュア学者の文化的伝統を示すもの。当時は地理学者・天文学者であったアドリアーンスゾーン・メチウス(1571〜1635年)によって確立されていて、彼の生徒の多くは学者や技術者になりました。その中には「農民教授」、つまり市民の中にいるアマチュア学者としてエイシンガは有名で、これほどの重要な技術遺産を残した唯一の人物であるということ。

登録基準(iv)
王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムは、オランダ北部の啓蒙主義の技術を結晶したものであるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

王立エイセ・エイシンガ・プラネタリウムは、当時のオランダの啓蒙主義の普及と、アマチュア学者たちの技術力を示すもので、何も知識のない庶民でも分かるような優れたプラネタリウムであったという点で評価されています。

ちなみに、このプラネタリウムには、太陽系の第7の惑星・天王星と第8の惑星・海王星は含まれていません。というのも、天王星が発見されたのが1781年で、海王星の発見は1846年。プラネタリウムは実際の宇宙をミニチュアにして製作しただけに、もし天王星を加えるとなると、土星から遠くて天井からはみ出てしまうために加えられないとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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