韓国の世界遺産「朝鮮王陵」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3),(4),(6)
登録年2009年

韓国の国内には、李氏朝鮮(1392〜1897年)の歴代の王が眠る王墓が多く残り、その中の18箇所40基が世界遺産に登録されています。王の遺体は韓国各地に残る王墓に納められ、魂はソウルにある宋陵に祀られるという様式になっていて、これは儒教信仰に基づく先祖崇拝を示しているもの。

ここでは朝鮮王陵がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、朝鮮王陵について詳しくなること間違いなし!

目次

朝鮮王陵とは?

朝鮮王陵
画像素材:shutterstock

かつて朝鮮半島を治めた李氏朝鮮では、15〜20世紀に渡って王や王妃が亡くなると、半島各地で王墓が建造されました。王墓は通常は、北側に山々がある土地に、南側に水が配され、自然の景観を取り入れるように設計されました。

王墓の設計としては、一般的には入口と儀礼を行う場という2つのエリアで構成。入口はT字型の鳥居のような建築物があり、墓の周辺には人物や動物の像が配されるというもの。墓そのもののも祖先の霊を悪霊から守るために、破壊を防ぐように頑丈に作られています。

これらは、儒教の思想によって確立され、先祖崇拝の伝統と儀式を行う場を作り出し、聖域として切り離した朝鮮王朝の王墓建築の集大成でもあります。

朝鮮王陵はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

朝鮮王陵
画像素材:shutterstock

朝鮮王陵が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
王墓は儒教信仰のもとに朝鮮王朝の自然観と宇宙観が見られ、独特の葬儀の伝統が示す聖域であるということ。

登録基準(iv)
朝鮮王陵は、何世紀にも渡って続けられた伝統と祖先崇拝を明らかにしていて、韓国だけではなく、東アジアの墳墓の発展の重要な段階を示すものであるという点。

登録基準(vi)
李氏朝鮮時代、祖先崇拝の祭祀が毎年行われていることから、朝鮮王陵は、儀式を通じて先祖崇拝の伝統と結びついているものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

朝鮮王陵は、李氏朝鮮時代に広く信仰されていた儒教の世界観を示し、その王墓の建築様式は最高点に達するものであるという点で評価。そして、王朝の祖先崇拝の祭祀とも密接に繋がっているということもポイント。

ちなみに、李氏朝鮮は朝鮮半島全体を領土としていたので、一部の王墓は北朝鮮に点在しているものの、これらは世界遺産とはなっていません。政治的な事情があるとはいえ、いつかは国境を越えて登録されるといいですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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