登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5), (6) |
登録年 | 2008年 |
ケニア南東のインド洋沿岸には、この地に住むミジケンダ族によって作られたカヤと呼ばれる円形の集落が見られる地。海岸に200kmにも渡って10ものカヤの聖なる森林が広がっており、現在は人が住むことはないものの、聖地として維持され、文化的伝統を今も残しています。
ここではミジケンダのカヤの聖なる森林群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カヤについて詳しくなること間違いなし!
ミジケンダのカヤの聖なる森林群とは?
ケニアの南東部、インド洋の沿岸に広がる海岸州には10ものカヤの聖なる森が残っています。カヤとは、16世紀にこの地に住み始めたミジケンダ族が形成した円形の集落で、中央の聖域を防御用の丸い柵で囲み、石壁と木のドアを置き、聖域の周辺には住居が置かれているというもの。その周辺には森林が広がり、墓などが点在。
広さはさまざまですが、現在はどのカヤも住居としては使用されておらず、ミジケンダ族の信仰の場として、彼らの祖先の住まいと考えられています。現在は聖なる森林として、ミジケンダ族の信仰の場となっているのが特徴。
ミジケンダのカヤの聖なる森林群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カヤが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
カヤは、ミジケンダ族の祖先の住まいと考えられ、今でも崇拝され、これらは彼らの世界観を示す現代ケニアの文化的景観です。そして、カヤはミジケンダ族のアイデンティティであるという点。
登録基準(v)
カヤはミジケンダ族の社会は衰退しつつあるも、現在でもその習慣は残されています。これはミジケンダ族の邸宅という側面から彼らの信仰的な側面へ移行を示し、アクセスが難しい場所であることから、カヤと周辺の森林の生物多様性が見られます。
登録基準(vi)
カヤは現在、ミジケンダ族の精神的支柱であり、今でも彼らの祖先の住まいと見なされています。カヤは国境を越えて拡大し、このエリアにおいても重要な意味を持っていたという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ミジケンダ族は、カヤという独特の世界観が見られ、これらは周囲に拡大していき、ミジケンダ族の住宅から崇拝の地への移行が見られ、現在でもその習慣が残るという点で評価されています。
ちなみに、「ミジケンダ」とは「9つの町々」という意味で、実は1940年代に生まれた言葉。それ以降は「低木地の人々」と呼ばれていたのですが、彼ら自身のアイデンティティが高まっていき、9つの部族たちがいたことからこのように名乗るようになったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。