登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2) |
登録年 | 2015年 |
アメリカ南部テキサス州にある、4つのミッション(伝道所)と農場は世界遺産に登録されています。これらは18世紀にフランシスコ会の宣教師たちによって建設され、ヌエバ・エスパーニャ(新大陸のスペイン植民地)の北の境界線を防衛するという役割もあり、先住民のコアウィルテカン族との文化の融合が見られるもの。
ここではサン・アントニオ・ミッションズがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サン・アントニオ・ミッションズについて詳しくなること間違いなし!
サン・アントニオ・ミッションズとは?
サン・アントニオ・ミッションズ国立歴史公園は、テキサス州南部にあるサンアントニオに位置していて、サンアントニオ川沿いにある4つのミッション(伝道所)と、そこから南へ約37kmの距離にある農園が登録されています。これらは18世紀初頭にフランシスコ会の宣教師たちによって建設され、当時中米から北米の一部を支配していたヌエバ・エスパーニャの北の境界線を防衛するという目的もありました。ここは宣教師たちによる新大陸の布教活動の拠点であり、スペインの植民地活動の痕跡でもあります。
ミッションと農場に作られた、農地や牧場、住居、倉庫、井戸、排水施設など、今でも考古学遺跡として残っています。これらはスペインと先住民の先住民のコアウィルテカン族の文化を融合した施設で、先住民のデザインとキリスト教のシンボルが見られる独特な建築物になりました。スペインの支配下の中、やがて先住民たちの狩猟採集を中心とした社会が変わり、農業をしながら定住を続けるようになり、先住民やスペインとはまた異なったアイデンティティが生まれるようになるのです。
サン・アントニオ・ミッションズはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サン・アントニオ・ミッションズが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
サン・アントニオ・ミッションズは、カトリックのシンボルと先住民のデザインを組み合わせた独特の建設物で、ここはスペインの宣教師や入植者、先住民のコアウィルテカン族の文化と価値の交流が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
サン・アントニオ・ミッションズは、スペインが新大陸を開拓していく過程で建設された伝道所と農地で、スペインと先住民との文化が融合した建築物であったため、やがてこの地で独特の文化が見られるようになったという点で評価されています。
ちなみに、世界遺産のミッションとして登録されたのは4つだけではありますが、実はもう一つあるのです。アラモ伝道所は18世紀に建造されたのですが、やがて要塞となり、19世紀のテキサス革命の際に破壊されてしまいます。現在のミッションは20世紀に復旧されたものであったため、世界遺産の構成資産には含まれませんでした。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。