インドネシアの世界遺産「サンギラン初期人類遺跡」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (6)
登録年1996年

ジャワ島中央部にあるザンギランには、ホモ・エレクトス・エレクトス(ジャワ原人)などを含む50万個もの人類の化石が発見された場所。ここは世界で発見された約半分もの人類の化石が発掘された地で、それらは150万年にも渡る人類の進化を理解することができる重要な場所でもあります。

ここではサンギラン初期人類遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンギラン初期人類遺跡について詳しくなること間違いなし!

目次

サンギラン初期人類遺跡とは?

サンギラン初期人類遺跡
画像素材:shutterstock

ジャワ島中央部の都市ジョグジャカルタから北東へ約80km離れた初期人類の遺跡。ここは1891年にオランダ人医師ユージン・デュポアがジャワ島中東部のトリニール遺跡で発見したという、ホモ・エレクトス・エレクトス(ジャワ原人)の化石が、1930年代に多く発掘されました。それ以外にもメガントロンプスという初期人類の化石も見つかり、ここで発掘された人類の化石の数は世界で発掘されたものの半分に至るほど。

ここの地層からは少なくとも150万年以上前にも遡るジャワ原人の100を超える化石が発掘されたことでも有名です。最近の研究では、ジャワ原人は人類の直接の先祖ではないという説が一般的ではありますが、発掘物は150万年から40万年前にいたるまでの人類の進化の過程を示す貴重な資料でもあります。

サンギラン初期人類遺跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ジャワ原人
画像素材:shutterstock

サンギラン初期人類遺跡が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
サンギランの遺跡で発掘された化石は、150万年以上に渡り、現在のホモ・サピエンスまでの進化が分かり、人類の進化を理解するための重要な場所の一つであるということ。

登録基準(vi)
遺跡からは、長期間に渡って人類の文化や物理的進化を示す発見がされ、それは今後も続いていくと考えられているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

サンギランの遺跡は、ホモ・エレクトスの中でも有名なジャワ原人が多く発掘された地であり、化石はさまざまな面での人類の進化の過程を示すもの。今後も新たな発見が続けられるということもあることから評価されています。

実は、ジャワ原人は世界でも初めて発見されたホモ・エレクトスで、北京原人が「ホモ・エレクトス・ペキネンシス」であるのに対し、こちらは「ホモ・エレクトス・エレクトス」と名付けられています。発見された当時の名前はピテカントロプス・エレクトス(直立する猿人を意味するもの)。ちなみに、ホモ・エレクトスは「直立するヒト」を意味しているので、より人類のルーツに近い名前になっています。

現在では、ホモ・エレクトスの亜種であるとされるホモ・エルガステルからホモ・サピエンスは進化したと考えられているのですが、近い種であるのは間違いないですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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