スペインの世界遺産「サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4), (6)
登録年1993年

スペイン西部にあるグアダルーペには、「黒い木彫りの聖母像」と呼ばれる聖母像が祀られた修道院があります。この聖母像はキリスト教の聖人ルカによって作られたという伝説のある彫像。羊飼いによって奇跡的に発見され、その場所には13世紀に修道院が築かれました。そして、スペイン王室によって保護され、その後の新大陸のキリスト教化のシンボルにもなったことも。

ここではサンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院について詳しくなること間違いなし!

目次

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院とは?

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院
画像素材:shutterstock

エストレマドゥーラ州カセレス県にあるグアラルーペは、山々に囲まれた渓谷沿いに位置する街。ここでは、黒い木彫りの聖母像という、キリスト教の聖人である聖ルカが彫像した聖母像が、8世紀にイスラム勢力から南部のセビーリャからここに隠されたと言われ、13世紀後半に羊飼いの少年の前に聖母マリアが出現し、彼によって発見されたという伝説が残る地。

その後、聖母像を祀る場所として町の中心部に修道院が建造され、当時のカスティーリャ王であったアルフォンソ11世が戦争の前にこの地を訪れ、勝利したことから「王家の聖地」として修道院を拡張していきました。その後、4世紀に渡って拡張が続けられ、アルフォンソ11世の時代の礼拝堂、ムデハル様式の回廊、バロック建築の祭器保管所など、今では8つの大きな建造物が集まった修道院です。

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院
画像素材:shutterstock

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院は、約6世紀に渡る宗教建築の集合体であるという点。

登録基準(vi)
ここはレコンキスタ(再征服)時代のスペインのキリスト教徒や新大陸航路の発見したクリストファー・コロンブスにとっての聖地でもあり、アメリカ大陸へのキリスト教の伝道の中心地ともなり、今でもヨーロッパだけでなく、ラテンアメリカから人々が巡礼に訪れる地でもあるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院は、聖書の聖典を執筆したという聖ルカが掘ったという伝説のある黒い木彫りの聖母像が発見された場所であり、ここには13世紀後半から約6世紀に渡って宗教建築が積み重なった集合体であるという点で評価。そして、レコンキスタの時代は巡礼地となっていて、コロンブスも航海の感謝をするために巡礼を行うほどであったという点で評価されています。

ちなみに、かつてスペインが支配していたメキシコシティ近郊でも聖母マリアが出現したということで、黒い聖母を祀ったグアラルーペ寺院が建造されました。新大陸において「黒い褐色の聖母マリア」というのは、あらゆる階層の人々に信仰されやすいという特性もあったためか、今でも信仰されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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