デンマークの世界遺産「ステウンス・クリント」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(8)
登録年2014年

デンマークのシェラン島の東岸に約15kmにも続く白亜質の断崖は、約6500万年前に現在のメキシコのユカタン半島で衝突し、地球上の生物を50%以上も絶滅させたチクシュループ隕石の影響が地層に見られるのが特徴。当時舞い上がった灰はここで積り、地層には絶滅した動植物の完全な化石が多く見られるため、地球の歴史を示すという点で非常に貴重です。

ここではステウンス・クリントがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ステウンス・クリントについて詳しくなること間違いなし!

目次

ステウンス・クリントとは?

ステウンス・クリント
画像素材:shutterstock

デンマークの首都コペンハーゲンから南へ約45kmに位置する白亜質の断崖は、ステウンス・クリントと呼ばれるもの。ここは高さ40mとなっていて、断崖には約6500万年前、現在のユカタン半島付近で衝突したチクシュループ隕石の衝突の痕跡が残っています。チクシュループ隕石は、恐竜を含む地球上の生物を50%以上も絶滅させたとされ、この時、空に舞い上がった灰がメキシコからデンマークまで飛来し、ここに降り積もったもの。

これは「K-Pg境界」と呼ばれ、世界的にチクシュループ隕石の地層は世界に多くある中、ステウンス・クリントは地上に露出していることから研究が容易であるというのが特徴。K-Pg境界には大量絶滅前後の動植物の化石が多く発掘されていて、地球の歴史の研究に大いに貢献しているもの。

ステウンス・クリントはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ステウンス・クリント
画像素材:shutterstock

ステウンス・クリントが評価されたのが、以下の点。

登録基準(viii)
ステウンス・クリントは、隕石の衝突が地球の生命に与えた影響を示すもので、約6500万年前の白亜紀の終わりに発生したチクシュループ隕石の衝突の記録が見られ、これは地球上の生物を50%以上も絶滅させ、この時に恐竜の時代が終わったと研究者が示す証拠でもあります。この断崖はその時に火山灰が堆積したもので、世界にも同様の地形が数百はあるものの、この地が最も容易に見られるというシンボル的な存在。ステウンス・クリントは白亜紀(1億4500万年前〜6600万年前)から第三紀(6600万年前〜258万年前)の境界が見られ、過去と現在を含めた科学の研究において非常に重要であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ステウンス・クリントは、白亜紀にメキシコで発生したチクシュループ隕石の痕跡が残るもので、生物の大量絶滅の証拠が見られ、当時の地層の中でも容易に見られるという点で評価されています。

一般的な認識で「チクシュループ隕石によって恐竜が絶滅した」というのは誰もが知るところですが、実はこの後にも恐竜の化石は発見されていて、昨今の研究では恐竜が絶滅したのは隕石だけが原因ではないのではないか?という説もあったりして、恐竜の絶滅の理由に関してはまだまだ結論がでないところです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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