登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 2021年 |
リオデジャネイロの西部に位置する庭園は、造園家であり、芸術家でもあったロバート・ブール・マルクスにより、40年以上に渡って建造されたもの。ここは3500種以上の熱帯植物が植えられていて、広大な敷地には曲線をモチーフにしたモダニズム建築などもあり、近代の造園様式の発展が見られます。
ここではロバート・ブール・マルクス記念遺産がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ロバート・ブール・マルクス記念遺産について詳しくなること間違いなし!
ロバート・ブール・マルクス記念遺産とは?
ブラジルの第2の都市リオデジャネイロの西部に位置する、バラ・デ・グアラティバ地区には、マングローブと原生林に囲まれた庭園があります。ここは造園家であり、芸術家でもあったロバート・ブール・マルクスによって40年以上に渡って作られたもの。ここはモダニズム建築の発想と熱帯植物を融合させた、生きた芸術作品としてデザインした前衛的な庭園でした。
マルクスは、20世紀初頭にドイツで美術を学んだこともあり、モダンアートからインスピレーションを受けて、植物が立体的な作品として構成されるような庭園を設計。ブラジル固有種を含む熱帯植物を多く集めて育て、モダニズム建築であるような曲線を取り入れつつ、伝統的なブラジル文化の要素も組み込んでいきました。そして、ここは20世紀のモダンな造園様式の代表的な存在となり、それ以降に設計された公園や庭園のデザインに大きく影響を与えていったのです。
ロバート・ブール・マルクス記念遺産はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ロバート・ブール・マルクス記念遺産が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ロバート・ブール・マルクス記念遺産は、ヨーロッパのモダニズム様式からアイデアを得て、ブラジルの熱帯植物を活用した造園した庭園となり、世界中の公園や庭園にも大きな影響を与えているという点。
登録基準(iv)
ロバート・ブール・マルクス記念遺産は、モダニズム芸術の発想とブラジルの熱帯植物を融合させ、近代型の庭園として新たなスタイルを作り上げたということ。
世界遺産マニアの結論と感想
「ロバート・ブール・マルクス記念遺産」という名称になっていますが、実際は広大な庭園となっていて、これは、ヨーロッパで芸術を学んだマルクスによるモダニズム様式とブラジルの熱帯植物を組み合わせたモダンな庭園として評価されています。そして、このスタイルがやがてブラジルだけでなく、多くの国の庭園や公園のデザインに影響を与えたというのもポイント。
ちなみに、ブラジル中部にある「パンプーリャの近代建築群」の庭園部分も彼が担当。マルクスは近代庭園の神のような存在でもあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。