登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5), (6) |
登録年 | 1999年 |
ナイジェリア北東部にあるアダマワ高原に位置するスクルには、古くより製鉄と農業で繁栄した集落で、現在はヒデ(首長)の宮殿跡や段々状の棚田が広がっていて、自然の中で独自の文化が見られるという点で文化的景観として登録。
ここではスクルの文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スクルについて詳しくなること間違いなし!
スクルの文化的景観とは?
スクルは、カメルーンの国境沿いにあるアダマワ州に位置していて、標高1045mに位置にある高原に築かれた集落。ここは古くより製鉄と農業で栄えた地で、現在でも段々状の棚田や石造りの建造物が並ぶ中、16世紀に遡る製鉄所や穀物倉庫、祭祀施設が残っています。
ここはかつて首長的な立場である「ヒデ」が存在していて、彼らによって独自の文化が形成されていきました。丘の上にはヒデが住んでいたという花崗岩を使用した宮殿跡があり、村々には石の壁や動物などの家畜のための囲い、穀物を入れる倉庫など、独自の景観が広がっています。特に井戸は非常に重要なものであって、円錐形の石造りの建造物に囲まれたもの。土着の文化は今でも現地に住む人々に残されているため、その土地利用は文化的景観として登録されています。
スクルの文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スクルが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
スクルは、人間の定住することによって、その土地利用の重要な段階を示す文化的景観が見られるという点。
登録基準(v)
スクルには、現在でも存在し続ける伝統的な人間の暮らしが残されているということ。
登録基準(vi)
スクルは何世紀にも渡って存続してきた文化的伝統が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
文化的景観ということで、非常に分かりづらい遺産でもありますが、ここは古くから製鉄や農業で栄えた地で、その文化や土地利用が景観に見られ、何世紀にも渡ってその伝統が残されているという点で評価されています。
ちなみに、スクルが所属するアダマワ州は、カメルーンにも同名の州があります。ちなみに「アダマワ」は19世紀にこのあたりに存在したアダマワ首長国のこと。その首長であったアダマが多くの領土を征服したため、この地名が残っている様子。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。