聖ヨハネ(使徒ヨハネ)とはどんな人物?世界遺産マニアが解説

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聖ヨハネは、イエス・キリストの十二使徒の一人であり、初期のキリスト教の布教においては非常に重要な人物でした。イエスに最も愛された弟子とされ、新約聖書の聖典である『ヨハネの手紙』『ヨハネの黙示録』などを執筆されたとされています(現在では否定されることが多いもの)。そんな聖ヨハネとはどういった人物だったのでしょうか?

今回は聖ヨハネ(使徒ヨハネ)がどんな人物だったかを世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、聖ヨハネについて具体的に理解できること間違いなし!
※こちらではあくまでも世界遺産を知る上で「聖ヨハネ」を解説したものであり、聖書における「使徒ヨハネ」について解説したものでありません。

目次

聖ヨハネ(使徒ヨハネ)とはどんな人物?

イエスと聖ヨハネのイメージ図
画像素材:shutterstock

そもそも「ヨハネ」という人物は、聖書の主要人物には2名いて、イエスに洗礼を授けた「洗礼者ヨハネ」ではなく、ここではイエスの弟子のほうを指す「使徒ヨハネ」を解説します。といっても、彼については歴史的資料は少なく、ほとんどが新約聖書によるもの。以下では新約聖書や伝承などを基に彼の足跡を辿ったもの。

ヨハネはガリラヤ湖で漁師をしていましたが、兄ヤコブとともにイエスに召され、弟子(使徒)となりました。『ヨハネによる福音書』では「主が愛された弟子」として登場し、イエスの磔刑の際、最後まで十字架のもとにとどまり、イエスの母マリアを託されたとされています。その後、筆頭弟子のペトロと共に初期キリスト教の指導者として活躍とされますが、ローマ皇帝のドミティアヌス(51〜96年)の時代に現在のギリシャにあるパトモス島に流刑とされ、そこで彼は『ヨハネの黙示録』を執筆。そして、晩年は現在のトルコのエフェソスで暮らしたとされ、十二使徒の中でも殉教せず、100年頃に自然死したとされています。

黙示録の洞窟/パトモス島
画像素材:shutterstock

その後、「福音書記者ヨハネ」として崇拝され、新約聖書の中でも聖典と呼ばれる、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの手紙一』、『ヨハネの手紙二』、『ヨハネの手紙三』、『ヨハネの黙示録』を執筆されたとされていますが、現在では彼の著作でないとされるのが一般的。

聖ヨハネ(使徒ヨハネ)にまつわる世界遺産はこちら!

神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟を含むパトモス島の歴史地区 (ホーラ)/ギリシャ

黙示録の洞窟/パトモス島
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パトモス島はトルコ領であるアナトリア半島にもほど近いドデカネス諸島の一つ。ここはもともとローマ帝国時代の流刑地であり、当時はキリスト教徒が迫害されていたため、95年ころに聖ヨハネがここに流され、キリスト教の聖典である『新約聖書』の福音書と黙示録を執筆したとされます。

聖ヨハネが福音書と黙示録を弟子のプロクロスに口述筆記した場所とされる「黙示録の洞窟」は、現在は小さな教会と礼拝堂、修道院があり、多くの巡礼者が訪れる聖地。

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聖母マリアの家(エフェソス)/トルコ

聖母マリアの家
画像素材:shutterstock

トルコの西部に位置するセルチュクの街から7kmから離れた位置にある礼拝所。33年頃にイエス・キリストが聖地エルサレムで磔刑となると、聖母マリアはこの地で十二使徒の一人であるヨハネとともに暮らしたという伝説が残っています。

とはいえ、これはあくまでも後年に作られたとされる伝説で、初めて言及されたのは400年代というもの。

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世界遺産マニアの結論と感想

イエス同様に聖ヨハネの人生については、新約聖書の記載以外にその足跡を辿ることは困難でもあります。しかし、彼は「主が愛された弟子」という記載通り、福音書と黙示録を執筆し、聖母マリアとともに余生を過ごしたという伝説が残っているほどに、初期キリスト教団においては重要な役割があったとは推定されます。そして、殉教の伝承もないことから、彼はイエスの教えを晩年まで各地で広めたのかもしれませんね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定マイスター認定済。

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