アゼルバイジャンは、黒海とカスピ海に位置するコーカサス地方にあり、現在は油田開発で有名な国。歴史的にはイスラム国家の影響を受けることが多く、世界遺産にもその影響が見られます。ところで、アゼルバイジャンには世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、アゼルバイジャンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔
バクーはアゼルバイジャンの首都で、カスピ海の西岸にあるアプシェロン半島の南岸に位置する港町。ここは旧石器時代から人が住んでいたと推定されるほど古くから交通の要衝として栄え、9〜10世紀には油田の採掘が行われていました。
12世紀に建造された城壁内には乙女の塔やアゼルバイジャン建築の最高傑作とされるシルヴァンシャー宮殿など、美しい建築物が今も残っています。
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ゴブスタンの岩絵の文化的景観
首都バクーから南西へ約70kmの位置にある半砂漠地帯。ここはゴブスタン国立保護区になっていて、敷地には「泥火山」が存在し、これは地下で固まっていない泥が地表に吹き出てくるという珍しい自然現象が見られるということで有名です。
ここは少なくとも1万年以上前から人が住んでいたと考えられていて、岩絵には、ウシや馬、魚、虫などさまざまなデザインが刻まれています。これらはかつてこの地が温暖で豊かな土地であったということを示すもの。
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シャキの歴史地区とハーンの宮殿
シェキは首都のバクーから北西へ約330kmの距離にある都市。コーカサス山脈東部の渓谷に位置し、その歴史は古く、紀元前6世紀にまで遡ります。しかし、18世紀には洪水により、町は徹底的に破壊されてしまいました。破風造りの屋根を持つ邸宅、美しい庭園、壮麗な宮殿など、現在も残る伝統的な町並みは18世紀後半〜19世紀にかけて作られたもの。
町の北側にあるハーン宮殿は18世紀後半〜19世紀にかけて絹の取引によって築かれたもので、この町のかつての繁栄を象徴した建造物。
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キナルグ人の文化的景観と移牧の道
キナリグ人は、コーカサス山脈の南側にある集落に暮らす遊牧民族のこと。ここは青銅器時代から人が住んでいたとされ、現在も遊牧民族であるキナルグ人が暮らし、村の建造物は要塞のようであり、無駄のないスペースで設計されています。
人々はこの集落を夏の間だけ利用し、冬になると移牧として麓に暮らすというユニークな生活様式が今でも続けられているのが特徴。
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ヒルカニアの森林群
カスピ海の南岸には貴重な樹木類を保護する森林地帯や山塊が広がっていて、ここは2500万年前から5000万年前に遡り、氷河期によって後退し、再び拡大した森林群。2019年にイランのカスピ海沿岸が登録され、2023年にはアゼルバイジャン側のレンキャラン県とアスタラ県も拡大登録。
ここにはヒルカニア独自の生態系が見られ、固有種の植物や絶滅危惧種が暮らす森となっています。180種の鳥類と公園のシンボル的存在のペルシャヒョウを含む58種の哺乳類が暮らしています。
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世界遺産マニアの結論と感想
アゼルバイジャンは日本の4分の1ほどにもかかわらず、文化遺産が4件と自然遺産が1件の合計で5件もあり、古代から近代まで、この地の文化を感じられる遺産があるのが特徴です。近年は日本でも知名度が上がりつつあるので、いずれかは人気観光地になるかもですね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。