各国の推薦を受けて世界遺産委員会で「価値がある」という評価されてから登録されるのが世界遺産。しかし、景観が保護されなかったり、開発されてしまうと登録が抹消されることも!2024年現在は3件ほどが抹消されています。
ここでは、登録抹消された世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産の抹消理由を含めて解説していきましょう。
アラビアオリックスの保護区/オマーン(2007年抹消)
オマーンの中央部に位置し、砂漠と丘が連なるジダット・アル・ハラシース平原にある自然保護区。かつてはウシ科オリックス属のアラビアオリックスがオマーンでは多く見られたのですが、1972年に野生種が絶滅。しかし、アメリカで飼育されていたアラビアオリックスを1882年に再導入して保護区としました。
しかし、密猟とオマーン政府の設定区域の削減が原因で、景観の保護が損なわれるとされ、2007年には登録が抹消されてしまいました。
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ドレスデン・エルベ渓谷/ドイツ(2009年抹消)
ドイツ東部ザクセン州の州都であり、工業都市・ドレスデンを流れるエルベ川沿いに沿ってさまざまな宮殿や庭園、産業関連の施設が続く景観が世界遺産に登録されていました。
しかし、2005年に新しいコンクリート橋の建設が決定すると、景観の保護が損なわれるとされ、2009年には登録が抹消されてしまいました。
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海商都市リヴァプール/イギリス(2021年抹消)
イングランドの中西部にあるリヴァプールは、もともとは小さな港町でしたが、17世紀になると商業都市として急成長し、やがて18〜19世紀には三角貿易の拠点として大いに発展。造船所や倉庫街、公共施設、商業地区など6つのエリアが登録されていて、これらは大英帝国の発展に重要な役割を果たました。
しかし、ウォーターフロント開発計画などの再開発により、景観の保護が損なわれるとされ、2021年には登録抹消されてしまいました。
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世界遺産マニアの結論と感想
2024年現在、まだ3件しか登録抹消されていないものの、危機遺産(危機にされされている遺産)は56件もあって、世界遺産委員会の決定によっては登録抹消してしまうことも…。世界遺産に登録されたからといって未来永劫その遺産が残るかどうかは、その国と住民たちの「努力次第」なのですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。