世界遺産に登録されているカンボジアの寺院遺跡はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

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カンボジアの遺跡といえば、なんといってもアンコール・ワット。東南アジアで有名な寺院の一つではありますが、周囲には迫力のある遺跡もたくさんあるので、冒険気分に浸るのにぴったり!それ以外にもかつて繁栄した寺院の遺跡が多く

ところでカンボジアで世界遺産として登録されている遺跡はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録された遺跡を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。

目次

アンコール遺跡

カンボジア北西部のシェムリアップ州の州都シェムリアップ。この町の郊外には、東南アジアで最も有名な遺跡の一つであるアンコール遺跡があります。アンコールとは「街」という意味で、ここには9〜15世紀まで栄えたクメール王朝の王都が存在しました。

世界遺産の登録範囲は、最も有名なアンコール・ワットや、広大なアンコール・トムなどの寺院建築を含めて、貯水池や運河などが含まれています。

アンコール・ワット

アンコール・ワット
画像素材:shutterstock

12世紀前半にスーリヤヴァルマン2世に建造された、アンコール遺跡最大の寺院。クメール語で「アンコール(都)」の「ワット(寺院)」という意味で、幅190mの堀に囲まれ、面積は2平方kmの広大な寺院になっています。寺院の構造は、三重の回廊に囲まれた5つの祠堂が並ぶ配置。これはヒンドゥー教における宇宙観を示しています。

5つの祠堂は、神々が住む須弥山(メール山)を示しています。中央には約65mの高さを誇る塔を持ち、ヴィシュヌ神が祀られていたとされているものの、現在は仏像が置いてありますが、これは16世紀に仏教寺院に変更されたという名残。

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アンコール・トム

アンコール・トム
画像素材:shutterstock

12世紀後半、ジャヤーヴァルマン7世によって建造された城砦都市の遺跡。「トム」はクメール語で「大きい」といったことを意味し、防御を重視して建造されたもの。都市は城壁に囲まれており、中央には須弥山(メール山)を模したバイヨン寺院があります。中央祠堂をはじめ、塔の周囲に4つの人面像が多く配されていて、これは「クメールの微笑み」と呼ばれる独特の建築様式。

アンコール・ワットはヒンドゥー教寺院ですが、ジャヤーヴァルマン7世は仏教を信仰したため、バイヨンは仏教寺院となっています。ここには仏教施設が多いというのも特徴。

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タ・プローム

タ・プローム
画像素材:shutterstock

12世紀に建造された寺院で、これもジャヤーヴァルマン7世による建造物。仏教寺院として造られたものの、のちにヒンドゥー教寺院となりました。しかし、ガジュマルの木が建設物全体に食い込んでいるため、独特の景観を作り出しています。

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バンテアイ・スレイ

バンテアイ・スレイ
画像素材:shutterstock

他の都市に比べて建造が古く、アンコール朝初期の10世紀に建造されたヒンドゥー教寺院。アンコール遺跡の北東部に位置しています。建物の素材は、ラテライトと赤の砂岩なので全体的に紅色。「女の砦」を意味する寺院で、女神デヴァター像は「東洋のモナリザ」と言われるほどに美しい曲線が見られます。

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プレアヴィヒア寺院

プレアヴィヒア寺院
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カンボジアとタイの国境にある高原の端に位置するプレアヴィヒア寺院。もともとはクメール王朝時代にはシヴァ神を祀る寺院として建設されました。クメール王朝の寺院建築の中では珍しく東向きではなく、南北に沿って造られており、全長800mの敷地の南側に寺院があります。

現在見られる寺院は、11世紀の前半に改築されたもの。遺跡は高さ625mの高台にあり、プレアヴィヒアとはクメール語で「神聖な寺院」という意味でもあります。現在はカンボジア領であるものの、タイとの領土問題は未解決のまま。

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サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡

サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡
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サンボー・プレイ・クックは、カンボジア中央部にあるコンポントム州に位置する遺跡。サンボー・プレイ・クックとは、クメール語で「豊かな森の寺院」という意味で、ここは6世紀後半から8世紀前半に、タイやラオス、ベトナムの一部を含む東南アジアを支配した大国・真臘の首都イシャナプラだった場所。

敷地内には、100を超える寺院が並び、そのうち八角形のレンガ造りの祠堂は10もあります。遺跡の建造物には「空中庭園」や「怪魚マカラ」といった独特な装飾が残っていて、これはアンコール・ワットにも繋がっているというのが特徴。

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コー・ケー:古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡

コー・ケー:古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡
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アンコール・ワットから北東に約102km。ここはダンレック山脈とクーレン山脈に囲まれた丘陵地帯で、アンコール遺跡を建造したクメール王朝(802〜1431年)の首都があった場所。当時の名称は「チョック・ガルギャー」で、サンスクリット語で「リンガプラ」と呼ばれていました。

首都として機能したのは短い間でしたが、ここは水利技術が優れていた都市で、階段状のピラミッドのような寺院があったことでも知られています。

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世界遺産マニアの結論と感想

カンボジアといえば、アンコール・ワットのイメージがあるものの、魅力的な寺院遺跡はアンコール遺跡だけではありません!実は同時代の寺院遺跡も国内に点在していて、ジャングルの中に佇む寺院などは雰囲気バツグン!ぜひディープに楽しんでくださいね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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