カンボジアの世界遺産「サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3),(6)
登録年2017年

カンボジア中央部にあるサンボー・プレイ・クックは、6世紀後半から7世紀前半に栄えた真臘(しんろう、チャンラ王国)の首都イシャナプラであった場所。敷地内には、100を超える寺院が並び、そのうち八角形のレンガ造りの祠堂は10もあります。遺跡の建造物には「空中庭園」や「怪魚マカラ」といった独特な装飾が残り、これは「サンボー・プレイ・クック様式」として、かのアンコール・ワットなどに繋がる土台ともなりました。

ここではサンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンボー・プレイ・クックの寺院地区について詳しくなること間違いなし!

目次

サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡とは?

サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡
画像素材:shutterstock

サンボー・プレイ・クックは、カンボジア中央部にあるコンポントム州に位置する遺跡。サンボー・プレイ・クックとは、クメール語で「豊かな森の寺院」という意味で、ここは6世紀後半から7世紀前半に、タイやラオス、ベトナムの一部を含む東南アジアを支配した大国・真臘の首都イシャナプラだった場所。ここはスタン・セン川やオー・クル・ケー川、沼地、水路などに囲まれた平野に築かれた都市で、敷地内には100を超えるレンガ造りの寺院が並んでいます。

遺跡の建造物はほとんどがレンガ造りで、そのうち八角形の祠堂は10もあります。中心部には、プラサート・サンポー寺院とプラサート・タオ寺院、プラサート・イェイ・ポアン寺院の3つの複合伽藍が並び、それぞれの寺院は中央の祠堂の周りを外壁で囲んでいて、小さな塔、祠堂が並ぶもの。

サンボー・プレイ・クックは、仏教とヒンドゥー教の宇宙観が見られ、その中でも「空中庭園」や「怪魚マカラ」といった独特な装飾が残っていて、これらは「サンボー・プレイ・クック様式」と呼ばれます。これらは後にアンコール・ワットで有名なアンコール王朝(802〜1431年)で発展するクメール美術に影響を与えました。

サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡
画像素材:shutterstock

サンボー・プレイ・クックの寺院地区が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
サンボー・プレイ・クックの建築や芸術様式は、仏教とヒンドゥー教の宇宙観が見られ、彫刻が施されたレンガ造りの寺院が残り、これらは「プレ・アンコール様式」として他の地域に広がっていき、最終的にはアンコール王朝のクメール美術に繋がっていったという点。

登録基準(iii)
サンボー・プレイ・クックの寺院は、6世紀後半から7世紀前半に栄えた東南アジアに大帝国を建造した真臘(しんろう、チャンラ王国)の文化的伝統が見られ、この建築様式はアンコール王朝で確立されたクメール美術の基礎へと繋がるということ。

登録基準(vi)
サンボー・プレイ・クックの寺院の碑文は、後の時代に建造されたプラーサート・ワット・プー(ラオス南部に位置する遺跡)の伝説によると、理想の王の概念を示し、これらはアンコール王朝時代以降も、タイのアユタヤ王朝でも採用された4つの行政指針を示していて、これはカンボジアとタイの政治の基本的な概念であったという点。

世界遺産マニアの結論と感想

サンボー・プレイ・クックは、かつてカンボジアを中心にタイやラオス、ベトナムの一部まで領土を広げた真臘の首都であった都市イシャナプラの跡地であり、ここで確立された「プレ・アンコール様式」の建築様式は、やがてアンコール王朝へと繋がるクメール美術の基盤となったという点で評価されています。そして、ここで発見された碑文は、20世紀まで東南アジアの国家でも採用され続けた政治指針へと繋がるという点もポイント。

ちなみに、カンボジアという国名は、アンコール王朝以降は「カンブジャ」と呼ばれていたためにそこから由来。しかし、ここに住む人々や彼らが使う言語「クメール」であり、ちょっと区別が曖昧になっています。もともと「カンボジア」は民族を示していたのですが、現在では「クメール人」と呼ばれることが多い傾向に。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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