世界遺産に登録されている中国の遺跡はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

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中国といえば、世界四大文明の一つ、中国文明が興った土地だけあって、その数は豊富!かの北京原人が暮らしていた洞窟から歴代王朝の広大な墳墓まで、世界的に有名な遺跡があるのが魅力です。

ところで、中国で世界遺産として登録されている遺跡はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録された遺跡を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。

目次

周口店の北京原人遺跡

周口店の北京原人遺跡
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北京から南西約42kmの位置にある周口店には、更新世(約258〜1万年前)の遺跡。ここは山脈と平原の間にあり、石灰岩の洞窟には原始人類の足跡が残っています。敷地内には23のスポットから500万〜1万年前の人類や動物の化石が発見。

洞窟では、1921年に北京原人(ホモ・エレクトス・ペキネンシス)の骨が発見されたことで有名で、アジアでの人類の進化の過程を示す遺跡でもあります。

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良渚古城遺跡

良渚古城遺跡
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良渚(りょうしょ)古城遺跡は、中国南東部の浙江省の省都・杭州の郊外に位置しています。ここは紀元前3300〜2300年に長江下流域で繁栄した良渚文化に属するもので、平野に築かれた長江文明初期の都市国家の形跡が残る地。

ここは瑶山(ようざん)遺跡、2つのダム、都市遺跡の4つのエリアで構成され、敷地内の墓地からは社会階層によって異なる埋葬方法が見られることから、これらは小さな集落から階級社会による都市国家への移行を示すもの。

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殷墟

殷墟
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中国の中央部である河南省の安陽市に位置する殷墟は、紀元前17世紀頃〜紀元前1046年まで栄えた殷の最後の首都だったとされる場所。殷は現在確認できる中国最古の王朝でもあります。

ここでは宮殿や王家の墓が発見され、亀の甲羅に神託の結果を刻んだ甲骨文字も発掘。これは漢字のルーツとされ、世界で最も古い文字の一つ。

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左江花山の岩絵の文化的景観

左江花山の岩絵の文化的景観
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中国南西部にあり、ベトナムとの国境沿いに位置する広西チワン族自治区の崇左(すうさ)市には、カルスト地形の断崖があり、そこに描かれた岩絵群を含めて左江花山(さこうかざん)と呼ばれます。

これは現在この地に暮らすチワン族の祖先である雒越(らくえつ)人によって描かれたもの。特に銅鼓を演奏している人々が描かれていて、彼らの文化を渓谷の中で伝えているという点で評価されています。

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秦始皇帝陵及び兵馬俑坑

秦始皇帝陵及び兵馬俑坑
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陝西省の省都・西安から北東へ30km。驪山の北側に位置する始皇帝陵は、紀元前3世紀に中国を初めて統一した始皇帝の陵墓です。紀元前246年に建造が始められ、40年近くも建設が続き、紀元前208年に完成。陵墓は截頭方錐型で高さは76m、城壁は内城と外城に分かれていて総面積は約52平方kmとされています。

墳墓から東へ1.5kmには、8000体もの兵士や馬をかたどった陶器「兵馬俑」が発見され、これも合わせて世界遺産に登録。

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雲崗石窟

雲崗石窟
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山西省大同市から西方20kmに位置するのが雲崗石窟。約1kmにわたって約51窟の石窟が並ぶという広大な石窟となっています。もともとは4〜6世紀に中国北部で栄えた王朝・北魏の4代目皇帝・文成帝が仏僧・曇曜(どんよう)に命じて造られた5つの巨大な石仏が始まり。

ここは5万を超える仏像が掘られたという壮大なスケールの石窟で、中国初期の仏教美術が見られる場所として知られています。

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龍門石窟

龍門石窟
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河南省洛陽市の南にある伊河沿いに位置する石窟。洛陽は古代の中国王朝がしばしば首都として定めた都で、北魏(386〜534年)の6代皇帝である孝文帝は、493年に平城から洛陽に遷都しました。その際に初めて築かれたのが、龍門石窟。

なんとここでは石窟が2300、仏像が11万体、石碑が2800も造られました。繊細な装飾が施された石仏は、中国における彫刻技術の最高点といえます。

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高句麗前期の都城と古墳

高句麗前期の都城と古墳
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中国の北東部の遼寧省桓仁県と吉林省集安市には、高句麗前期の3つの都城と40の墳墓が現存。ここにはかつて朝鮮半島や中国北東部を支配していた高句麗(紀元前1世紀〜668年)前期の3つの都城(首都)があり、王や貴族の墳墓も点在しています。

登録範囲には、第19代王の好太王(広開土王)の石碑もあり、古代日本の歴史を知る上で最大の資料があることでも有名。

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シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(カザフスタン・キルギスと共同)

シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(カザフスタン・キルギスと共同)
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シルクロードとは、中国の中心から天山回廊を通り中央アジアまで結ぶ交易路の総称でもあります。そのシルクロードの一部である約5000kmが世界遺産に登録。ルート沿いには宮殿や石窟寺院、要塞、宗教施設など、さまざまな施設が作られ、交易路を含む33の構成資産が点在しています。

中国で登録されているのは、中国の東部にある中原地区、中国の中央部の河西回廊地区、中国西部の天山北路・天山南路地区の3つのエリア。

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莫高窟(ばっこうくつ)

莫高窟(ばっこうくつ)
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甘粛省敦煌市は、かつてシルクロードの中継都市として、文明の交差路であった場所。敦煌から南東約25kmに位置するのが、仏教美術の宝庫である莫高窟。中国三大石窟の一つで、世界でも最も規模の大きい仏教石窟寺院でもありました。

ここは1000年以上も栄え、700以上もの石窟があります。石窟には美しい壁画や仏像が残され、ここは仏教美術の宝庫とも呼ぶべき場所。

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上都の遺跡

上都の遺跡
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万里の長城の先、モンゴル高原南部に位置する上都の遺跡は、かつて元を建国したフビライ・ハンが築いた都でした。

現在は廃墟となっていますが、ここは遊牧民であるモンゴル人と農耕民族である中国人の文化が融合した都市でもありました。敷地内には、寺院や宮殿、野営地、運河の跡など、残っています。

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土司遺跡群

土司遺跡群
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土司とは中国の歴代の王朝が南部を支配するために、地方の世襲制の首長を「土司」として任命して、彼らの慣習や生活様式を維持しつつ、国家を統一するという目的で作られた制度。

中国南部に点在する土司遺跡は13世紀から20世紀初頭にかけて土司制度がここに存在したということを示し、中央の王朝との外交や交易を行った形跡を今でも残しています。

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世界遺産マニアの結論と感想

中国は世界でも第2位の面積を誇る国家だけあって、世界遺産に登録された遺跡は各地に点在しています。荒野に残る広大な石窟からかつての大帝国の都市遺跡まで、その悠久の歴史を感じさせる遺跡が残っているのが特徴。ぜひディープに楽しんでくださいね!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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