日本で登録されている世界遺産はなんと合計で26件!その中でも自然遺産として登録されているのは5件です。屋久島や白神山地など手つかずの自然が残るエリアを含めて世界自然遺産として登録。日本ではどんな自然遺産が登録されているのでしょうか?
ここでは、日本の自然遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
屋久島/1993年登録
屋久島は九州本土の最南端にある大隈半島から南へ約60kmの位置にある、ほぼ円形の島。九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)を持ち、さらに1800mの山々が連なる山岳島でもあります。
屋久島の山間部は、年間8000mmを超える降水量となるほどに雨が多い土地。湿気の多い環境であるために、島は世界に誇る独特な生態系が見られます。ここには約1900種もの動植物が見られ、特に標高600〜1800m付近には「屋久杉」と呼ばれる、樹齢1000年を超える巨大なスギの木があることでも有名。
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白神山地/1993年登録
白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部にまたがる広大なエリアで、東アジア最大のブナの原生林が残る場所。ブナは北米やヨーロッパ、東アジアにも分布していますが、北米やヨーロッパのブナは最終氷河期にはツンドラ地帯になったため、ブナの生息地は減少してたとちう経緯があります。
日本のブナは日本列島の南部にそのまま残されたことから氷河期が終わった後の回復も早く、白神山地はヨーロッパのブナ林よりも5〜6倍も多様な植生が見られるというのが特徴。特に白神山地は人里離れた秘境にあったため、天然林が残されたという背景があります。
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知床/2005年登録
知床半島は北海道の北東に位置しています。世界遺産としては半島の中央部から知床岬までの陸地と周辺海域を含んでいて、710平方kmにも及ぶ広大なエリアが登録。冬になると海では、低温の減塩水(ブライン)が降下していき、滞留によって海面を覆う氷に付着し、それが食物連鎖を生むという構造です。
陸上では、中央部に連なる知床連山を中心に湖沼や湿原、河川、森林など、多様な地形が広がっていて、シレトコスミレなどの固有種だけでなく、シマフクロウやオオワシなどの絶滅危惧種も多く見られます。
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小笠原諸島/2011年登録
東京都23区から南東へ約1000kmも先にある小笠原諸島は、行政区分としては「東京都」に含まれる島々。世界遺産としては、南北の約400kmの範囲に、北から聟島列島、父島列島、母島列島など、3列島から構成されています。
ここは非常に固有種が多く、海洋島の生態系の進化過程が見られるという点で重要です。特に植物相は441種類見られ、161種が固有種であり、陸生貝類は94%が固有種。
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奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島/2021年登録
九州南部から台湾の東部まで約1200kmにも渡って、まるで鎖のように島々が点在する琉球諸島。世界遺産として登録されているのは、琉球諸島の一部、鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県北部(国頭村、大宜味村、東村)、西表島の4つのエリアです。
原生林は人間が足を踏み入れることの少ないエリアもあることから、固有種の割合が非常に高いというのが特徴。ここには日本の陸生脊椎動物の約57%が生息していて、固有種であるがゆえに、アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、オキナワトゲネズミなどの絶滅危惧種も見られます。
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世界遺産マニアの結論と感想
日本の世界遺産は自然遺産が5件と、文化遺産に比べて少ないものの、自然が溢れる日本列島の中でも貴重なエリアが登録されています。富士山は文化遺産となってしまいましたが、他の国にはない珍しい自然遺産も多いので、ぜひディープに楽しんできてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。