オマーンの世界遺産の数はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!

オマーンはアラビア半島の東端にある国で、全土が砂漠気候でほとんど河川がないという国土が広がっています。ここはかつて乳香の産地で、やがてパキスタンから東アフリカまでを支配した海上帝国「オマーン帝国」の中心地となったこともあり、歴史深い建造物などが点在しますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?

ここでは、オマーンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。

目次

バハラ城塞

バハラ城塞/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

バハラは、オマーン北部にあるアフダル山の麓に位置する城塞都市の一つ。ここは12〜15世紀までオーマン中央部を支配していたバヌ・ネブハン族の中心地でもあり、イバード派というイスラム教の分派の一つで、ここは他のアラブ諸国やアフリカにも影響を与えていました。

都市は約12kmもの城塞に囲まれていて、城内は砂岩の土台に石造りの塔が築かれ、16世紀には国内でも最大規模の要塞になりました。現在も城壁や監視塔などが残り、かつての繁栄が見られるもの。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
オマーンの世界遺産「バハラ城塞」とは?世界遺産マニアが解説 オマーン北部にあるバハラ城塞は、12〜15世紀までこの地を支配していたバヌ・ネブハン族のオアシス都市だった場所。都市は約12kmもの城塞に囲まれ、城内には砂岩の土台に石造りの塔が築かれ、16世紀には国内でも最大規模の要塞になりました。現在も城壁や監視塔などが残り、かつての繁栄が見られるもの。 ここではバハラ城塞がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バハラ城塞について詳しくなること間違なし!

バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群

バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

オマーン北西部のアル・ダヒラ県イブリー市から東へ約24kmの位置にバットの遺跡があります。ここでは7つの記念碑的な石塔が発見されていて、石塔は石灰岩をモルタルを使い、積み上げていったもの。少なくとも最も新しい塔はウンム・アン=ナール文化後期(紀元前2200~2000年)に遡るもの。

バットから南東へ約22kmの位置にあるアル=アインには蜂の巣ような墳墓が並んでいて、これらは紀元前3000年初期に遡るほどに古いのが特徴。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
オマーンの世界遺産「バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群」とは?世界遺産マニアが解説 オマーン北部のマフダル山地にある考古遺跡は、かつてマガン国と呼ばれた時代の集落跡。ここはメソポタミアに銅を輸出して栄えたとされ、紀元前3000年ころの集落と墳墓の姿を現在にまで残すもの。 ここではバット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群について詳しくなること間違なし!

乳香の土地

乳香の土地/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

オマーン南西部のドファール特別行政区内には、古代から何世紀にも渡って乳香の産地でもありました。新石器時代以降、紀元前1000年ころから乳香交易で繁栄し、当時の乳香は金と同じ価値を持つもので、世界遺産に登録されている4つの構成遺産は、アラビア半島南部の優れた文明の足跡を示しています。

交易都市シスルのウバール考古遺跡、ホール・ルーリのサンフラム考古遺跡、サラーラのアル=バリードの考古遺跡、乳香の木々が今でも生い茂るワジ・ダウカ乳香公園の4つの構成遺産は当時の様子が良くわかるもの。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
オマーンの世界遺産「乳香の土地」とは?世界遺産マニアが解説 オマーン南西部のドファール地方は、世界でも最大の乳香(にゅうこう、フランキンセンス)の産地であった場所で、古代から中世まで何世紀にも渡って乳香交易で繁栄しました。この地では、交易都市シスルのウバール考古遺跡、ホール・ルーリのサンフラム考古遺跡、サラーラのアル=バリードの考古遺跡、乳香の木々が今でも生い茂るワジ・ダウカ乳香公園の4つの構成遺産は最盛期の姿を現在まで残すもの。 ここでは乳香の土地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、乳香の土地について詳しくなること間違なし!

オマーンの灌漑システム、アフラジ

オマーンの灌漑システム、アフラジ/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

アフラジ(ファラジの複数形)は井戸の底を水路で繋げるという灌漑システムで、オマーンでは現在も3000ほど利用されています。ファラジは、ワジという涸れ川を水源にする「ガイリ」、山の湧き水を水源にする「アイニ」、地下水を水源にする「ダウディ」の3種類があります。

これは降水量が少ない大地においては重要なインフラで、天文観測による日時計を利用し、共同体による水源を平等に管理することで、ナツメヤシを含めた農業が可能となり、恒久的な居住できるようになったというもの。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
オマーンの世界遺産「オマーンの灌漑システム、アフラジ」とは?世界遺産マニアが解説 アフラジ(ファラジの複数形)は井戸の底を水路で繋げるという灌漑システムで、オマーンでは現在も3000ほど利用されていて、これらは紀元前2500年には既に存在していたという説もあるほど。世界遺産としてはオマーン北部にある5つのファラジが登録され、それらは天文観測によって運用。日時計を使いつつ、水は家庭や農業のために平等に分配され、この地域の社会で貢献してきました。 ここではオマーンの灌漑システム、アフラジがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 アフラジについて詳しくなること間違なし!

カルハットの都市遺跡

カルハットの都市遺跡/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

オマーン北東部にある中心都市スールから北へ約20km。カルハットはかつてホルムズ王国(11世紀〜1622年)の中心的な港だった場所です。ホルムズ王国は、現在のホルムズ海峡からオマーン湾の沿岸と島々で構成していた国家で、現在のイランにあるバンダレ・アッバースとホルムズ島を中心に各国との交易で栄えた国家でした。

現在は霊廟がポツンと一つだけ残る遺跡となっていますが、ここで発見された遺物はかつてナツメヤシや馬、真珠などの交易で発展し、アフリカから東アジアまでさまざまな地域と交易があった港であるということを示しています。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
オマーンの世界遺産「カルハットの都市遺跡」とは?世界遺産マニアが解説 オマーンの東海岸に位置するカルハットは、11〜15世紀にかけて交易で発展したホルムズ王国の中心的な港でした。現在は霊廟がポツンと一つだけ残る遺跡となっていますが、ここで発見された遺物はかつてナツメヤシや馬、真珠などの交易で発展し、アフリカから東アジアまでさまざまな地域と交易があった港であるということを示しています。 ここではカルハットの都市遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カルハットについて詳しくなること間違なし!

番外編.アラビアオリックスの保護区 (2007年抹消)

アラビアオリックスの保護区/オマーンの世界遺産
画像素材:shutterstock

オマーンの中央部に位置し、砂漠と丘が連なるジダット・アル・ハラシース平原にある自然保護区。かつてはウシ科オリックス属のアラビアオリックスがオマーンでは多く見られたのですが、1972年に野生種が絶滅。しかし、アメリカで飼育されていたアラビアオリックスを1882年に再導入して保護区としました。

しかし、密猟とオマーン政府の設定区域の削減が原因で、景観の保護が損なわれるとされ、2007年には登録が抹消されてしまいました。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
登録抹消されたオマーンの世界遺産「アラビアオリックスの保護区」とは?世界遺産マニアが解説 オマーン中央部にある保護区で、ここは野生種が絶滅したアラビアオリックスを保護し、育成するという目的で設立されたもの。しかし、密猟が多く、オマーン政府の設定区域の削減というのが原因で、景観の保護が損なわれるとされ、2007年には登録が抹消されてしまいました。 ここではアラビアオリックスの保護区がなぜ世界遺産に選ばれ、そして、なぜ登録抹消されたのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アラビアオリックスの保護区について詳しくなること間違なし!

世界遺産マニアの結論と感想

オマーンの世界遺産は5件もあり、すべてが文化遺産というのが特徴。かつて乳香で繁栄した都市遺跡から海上帝国の足跡まで、砂漠に佇む遺跡が点在しているのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次