四川省といえば、パンダの故郷としても有名ですが、世界遺産も豊富にあるんですよ。文化遺産と自然遺産、複合遺産すべて合わせてなんと5つも登録。北京市に並ぶほどの数です!
ここでは、四川省の世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
九寨溝の渓谷の景観と歴史地域
九寨溝の渓谷は、四川省の中でも北部にあるアバ・チベット族チャン族自治州にある自然保護区。「九寨溝」とはチベット族の村落を意味する「寨」が9つあることから名付けられたもの。
ここは標高4000〜4500mの岷山山脈のカルスト台地が地殻変動や氷河などの侵食で削られ、上流から流れ出る川によって谷は棚田状に湖が広がるようになりました。湖沼の水は、石灰岩からの湧き水で、太陽の光を浴びるとエメラルドやオレンジなどに反射するという構造。
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四川省のジャイアントパンダ保護区 – 臥竜、四姑娘山、夾金山脈
ジャイアントパンダの生息地は、甘粛省や陝西省にもありますが、四川省は世界最大の生息地として有名。
邛崍山脈と夾金山脈に挟まれたエリアには、7つの保護区と9つの自然公園があり、合計で世界のパンダの約30%をここで保護し、研究・繁殖も行われています。
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黄龍の景観と歴史地域
四川省の北西に位置する黄龍風景区は、標高4000m級の山々が連なる岷山山脈にある玉翠山の麓に位置する渓谷。ここは樹海に囲まれた渓谷沿いに3000もの湖沼が続くという景観で、これらは石灰岩層が露出していたため、氷河によって削られて形成されたという歴史を持ちます。
傾斜する渓谷に湖が並ぶことからこれが龍の鱗のように見え、「黄龍彩湖群」と名付けられました。
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峨眉山と楽山大仏
「峨眉山」は四川省の省都である成都から南東へ約170kmも離れた奥地にある聖山。中国では四大仏教聖地の一つに数えられており、後漢時代には仏教寺院が造られました。それから何世紀にも渡って寺院が多く建造。
「楽山大仏」は峨眉山から東へ約20km。岷江、大渡河、青衣江という3つの川の合流点を見下ろす丘のに8世紀に建造された、(近代以前に建設されたという点で)世界最大の磨崖仏。
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青城山と都江堰
省都・成都の北西に位置する都江堰市の郊外に広がる「青城山」。ここは36もの山々が並び、108の名所がある景勝地。そして、道教の創始者・張遼が布教を始めた場所であり、道教の聖地でもあります。
「都江堰」は、四川省の中央部を流れる岷江の上流に位置する水利・灌漑システムのこと。ここは紀元前3世紀に蜀群の太守であった李冰(りひょう)が洪水に悩む人々のために、川の流れを制御する堰を建造。
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世界遺産マニアの結論と感想
四川の世界遺産は豊かな自然の中に歴史ある建造物が並び、文化遺産1つと自然遺産3つ、複合遺産1つといった充実した内容。パンダだけでなく、美しい九寨溝や黄龍、世界最大規模だった魔崖仏など、とにかく、中国という国の魅力が詰まった世界遺産が揃うエリアですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。