登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (3), (4) |
登録年 | 2011年 |
バルバトスはカリブ海に浮かぶ小アンティル諸島の最も東側に位置する島国。首都ブリッジタウンには、17〜19世紀に築かれた旧市街があります。これは英国植民地時代の建築物であり、不規則に並ぶ町並みは、スペインとオランダの植民都市にはないユニークなものであるという点で評価。
ここでは、ブリッジタウン歴史地区とその要塞(ギャリソン)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ブリッジタウンについて詳しくなること間違いなし!
ブリッジタウン歴史地区とその要塞(ギャリソン)とは?
カリブ海の小さな島国であるバルバドスの首都ブリッジタウンは、英国の南北アメリカにおける拠点として17世紀に都市が建設されました。18世紀末には石造りのギャリソン(駐屯地)も建造されます。
歴史地区
旧市街は17世紀に要塞化され、特に砂糖の交易が盛んで、黒人奴隷も多く取引された交易都市へと発展しました。旧市街は、スペインやオランダなど、他のカリブ海の植民都市とは違い、不規則な街区になっていて、曲がりくねった道も多く見られます。
しかし、19世紀初期には大規模なハリケーンが発生し、ほとんどの建築物は崩壊してしまいました。その後に再建された建物は、クレオール化(カリブ海独特の様式)の建築様式も見られ、独時に発展。
ギャリソン
ギャリソンとは駐屯地であって、軍隊が常時滞在する基地のこと。ブリッジタウンは北部に旧市街があり、ギャリソンは湾岸通りを通った先の南側に位置しています。ここは英国から大西洋を渡ってやってくる船の最初の寄港地で、大英帝国のアメリカ大陸貿易の要所でもありました。よってイギリス陸軍と海軍のカリブ海本部の駐屯地がここに作られたのです。
要塞の中でも特にセント・アン要塞が有名で、現在はギャリソンの一部がホテルなどに改装されています。
ブリッジタウン歴史地区とその要塞(ギャリソン)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ブリッジタウンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
大英帝国の植民都市として、ヨーロッパやアフリカの人々が多く集まり、それらの文化が入り混じったクレオール文化が生み出され、現在でも街の各所で見られるという点。
登録基準(iii)
英国の植民都市として築かれ、その都市景観が残っており、旧市街はかつての大英帝国の支配が今でも見られるということ。
登録基準(iv)
ギャリソンは、カリブ海で最も初期の要塞建築であり、ハリケーンにも耐えられるように建てられた18〜19世紀の倉庫など、建築様式の発展なども見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ブリッジタウンは大英帝国のカリブ海貿易の拠点といったところで、他の植民都市と比べて道が曲がっていたりと、ユニークな都市計画が見られます。要塞都市として、大英帝国軍の駐屯地ということもあり、その要塞建築が素晴らしいですが、カリブ海の気候や文化に合わせて築かれたため、独特の景観を生み出したという点も評価。
ちなみに、バルバトスというとかなりマイナーな国なので、あまりイメージがないかもしれませんが、クリケットの名選手を多く輩出している国で、レジェンド級の選手がいたことでも知られる強豪なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。