アドリア海の西側にあるモンテネグロは、かつてユーゴスラビア連邦に属していた国で、紺碧のアドリア海と緑豊かな大地が広がっています。周囲の国家と一緒だった時期も長く、世界遺産もそれぞれに影響を受けていますが、どんな遺産があるでしょうか?
ここでは、モンテネグロの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
コトルの自然と文化歴史地域
コトルは、アドリア海沿いのコトル湾にある港町です。登録されている敷地は1400平方kmにも及び、コトルの市街だけではなく、湾全体も含まれているというのが特徴。宮殿や修道院、要塞、邸宅などが集まる旧市街に、リアス式海岸と周囲の高い山々に囲まれた風景が溶け込んでいて、コトル独自の景観となっています。
町は10世紀から交易都市として発展し航海術や建築法など、さまざまな知識が集まったために、それが各地に広がっていったということも評価されています。
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ドゥルミトル国立公園
ディナル・アルプス山脈を構成するドゥルミトルは、ルーマニア語で「眠れるもの」を意味していて、石灰岩の山塊は、古代ローマの軍人がここが穏やかな地であったことから名付けたとされています。
ここは標高2523mのボボトフ・クックを含む山々と深い峡谷、地下には氷の世界が広がるレデナ・ペチナの洞穴もあることで知られます。
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中世墓碑ステチュツィの墓所群(ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、クロアチアと共同)
ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、クロアチアには中世の墓碑であるステチュティが点在し、これらは合計で7万を越え、12世紀後半から16世紀にかけて建造されたもの。
中世には、この地域はボスニア王国(1377〜1463年)によって支配されていて、当時のローマ・カトリックや東方正教会から異端とされていたボスニア教会に属する地域が多かったという点で、墓碑には独特の文化が見られます。
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16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール(イタリア、クロアチアと共同)
現在のヴェネツィアを本拠地とした海洋国家であったヴェネツィア共和国。ヴェネツィアはイタリアだけでなく、地中海各地にも領土を多く持っていました。世界遺産としては、現在のイタリア、クロアチア、モンテネグロ各地の防衛施設が登録されています。
コトルの要塞都市は「コトルの自然と文化歴史地域」として、1979年に個別の世界遺産として登録されていますが、「西スタート・ダ・マール」に含まれています。西スタート・ダ・マールはアドリア海から地中海へ抜ける海路と、アドリア海各地に点在する港湾都市を防衛するものとして建造。
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世界遺産マニアの結論と感想
モンテネグロだけの世界遺産としては、文化遺産と自然遺産が一つずつあるので、2件だけではありますが、周辺国と合同で登録された世界遺産を含めると4件となります。現在はバルカン半島の小さな国ではありますが、古くから重要な地で、その歴史が垣間見られる遺産が多いのが特徴です!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。