奈良県の世界遺産「大峰山寺」とは？世界遺産マニアが解説

大峰山寺（おおみねさんじ）は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ。ここは大峰山の山頂付近にあり、古くから修験者たちが訪れる場所でもありました。ところで、なぜ大峰山寺は世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは大峰山寺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、大峰山寺について詳しくなること間違いなし！

大峰山寺とは？

吉野山の南にそびえる大峯山の山上ヶ岳（標高1719m）にあり、古くから修験者たちが訪れる山として、山頂付近は蔵王堂が置かれていました。ここは蔵王権現像を祀る「山上の蔵王堂」として有名でしたが、明治時代以降は「大峯山寺」という名称になっています。

蔵王堂はもともとは修験道の開祖・役小角（えんのおづぬ）が創建されたとされますが、奈良時代以降に何度も再建されていきました。現在の建造物は17世紀に寄棟造（よしむねづくり）で再建されたもの。古くから女人禁制の伝統があり、現在も女性は入ることができません。

大峰山寺はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

大峰山寺が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
紀伊山地に残る霊場と参詣道は、神道と仏教が融合が見られ、東アジアにおける宗教文化の交流と発展を示すということ。

登録基準（iii）
紀伊山地に点在する神社や寺院は、この地の慣習を含めて、1000年以上に渡る日本独自の宗教の発展を示すものであるという点。

登録基準（iv）
紀伊山地は、日本各地の寺社の建築様式に大きな影響を与え、それらの形成のルーツともなっているという点。

登録基準（vi）
紀伊山地の霊場と森林には、1200年に渡って神の宿る地として信仰が維持され、それらが景観に見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

大峯山寺は、ここで役小角が蔵王堂を建てたとされる場所であることから、仏教と道教が融合した日本独自の修験道の聖地であり、現在も信仰が続けられているという点で評価されています。

ちなみに、山上には宿坊があり、お風呂もあります。しかし、この地は女人禁制なので男性しか来ないという想定であるためか、更衣室が丸見えである宿坊もあり、いくら女性がいないとはいえ、少し恥ずかしいとか…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。