登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4), (6) |
登録年 | 1996年 |
客神社(まろうどじんじゃ)は「厳島神社」の構成資産の一つ。ここは本社の手前にあり、神の客人をもてなすという役割がありました。ところで、客神社はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは厳島神社・客神社がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、客神社について詳しくなること間違いなし!
厳島神社・客神社とは?
客神社とは、本殿で祀られている神の客人をもてなすというもの。本社に付属する「摂社」にあたる神社のことを指します。厳島神社では、本社の北東に位置していて、参拝入口から社殿に入ると、最初に目にするのが客神社。
方向は違うものの、本殿・幣殿・拝殿・祓殿(はらえどの)と本社と同じ構造になっています。しかし、本社では祓殿の先は平舞台となっていますが、こちらはそのまま海に面しているのが特徴。本社と同じく、屋根は「両流造(りょうながれづくり)」と呼ばれる建築様式で、前後に流れるような構造となっているものの、本社とは違って庇(ひさし)があるのが違いです。
厳島神社・客神社はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
客神社が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
厳島神社は貴族の居住空間を神社建築に応用したもので、さらに自然と人工の建築物を組合わせた傑作であるという点。
登録基準(ii)
自然を崇拝する厳島神社の建築様式は、日本人の宗教観を示し、日本の景観美を理解できるものであるということ。
登録基準(iv)
厳島神社は、12世紀後半〜13世紀初頭の建築様式をそのまま保存しており、周囲の風景を組み合わせた神社建築の優れた例であるという点。
登録基準(vi)
日本人の宗教観は、さまざまな神を崇拝するというもので、神道以外にも仏教施設などが存在する厳島はこれを代表するものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
客神社は役割が違うものの、厳島神社の社殿と造りはほぼ同じになっていて、神道による宗教観が見られ、壮麗な社殿の構造が今でもよく分かるという点で評価されています。
ちなみに、鳥取県西部にあるブロッコリー神社は、田園の中にまるでブロッコリーのようにポツンと立つことからSNSでも話題。実は客神社というのが正式名称の一つで、全国にはこのような「客神社」がいくつか存在します。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。