スカンジナビア半島の西側に位置するノルウェーは、フィヨルドと山岳氷河が多く、古くから漁業や海上交易などが盛んでした。ノルウェーというと美しいフィヨルドの景観で有名ですが、どんな世界遺産が登録されているでしょうか?
ここでは、ノルウェーの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ウルネスの木造教会
ウルネスの木造教会は、ノルウェー南西部のソグン・オ・フィヨーラネ県の岬にある小さな教会。フィヨルドとして世界で2番目の面積を誇るソグネフィヨルドの奥にある入江から、さらに内陸にあるルストラフィヨルド沿いに位置します。
ここは12世紀前半に建造されたノルウェー最古のスターヴヒルケ(木造教会)で、ロマネスク様式を基本としてバイキングの伝統が取り入れられた傑作です。
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ベルゲンのブリッゲン地区(英語の登録名は「ブリッゲン」)
ノルウェー西岸にあるホルダラン県の都市ベルゲンは、国内でも第2の規模を誇る大都市。街としては11世紀に建造され、13世紀にドイツのハンザ同盟によって居留地になると、ハンザ同盟の中継地として海上交易で大いに栄えるようになりました。
ブリッゲン地区にあるカラフルな木造の小屋はもともとは在外ハンザ商人の居留地で、何度も火災に遭ったものの、その度に古い区画と建築法を守りながら再建されてきたということが評価に繋がっています。
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レーロースの鉱山街とその周辺
ノルウェー中部のトロンデラーグ地方にあるレーロースは、標高630mの高原に位置しています。ここは17世紀に銅鉱山が発見され、労働者たちが集まって街を設立。
1977年に鉱山は閉鎖したものの、17世紀当時の木造の建築群が現在も200近くも残っていて、18世紀に石造りで建造された白い聖堂には労働者のシンボルであるハンマーが描かれています。
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アルタの岩絵
北極圏に位置するアルタフィヨルドの先端には45ヶ所もの岩絵が残っていてます。これらは1972年に発見され、紀元前4200年から紀元500年ころまでこの地に住む人々によって築かれたもの。最も古い岩絵は、標高の高い位置にあり、これは先史時代に海岸線の隆起があったことを示しています。
ここには動物や幾何学模様など、先史時代の北極圏に住んだ人々の暮らしが見られるという点で貴重なもの。
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ヴェーガ群島
北極圏のすぐ南方にあるヌールラン県のヴェーガ島と周辺の6500もの小島、岩礁を含めた約1072平方kmもの海域が世界遺産として登録。ここは古くから人が住む場所で、ヴェーガ島では1万年以上に渡って人が暮らし、漁と農業によって独自の景観が形成されていきました。
9世紀からケワタガモの飼育を行っていて、島に残る漁村や波止場、灯台などは1500年以上にわたって漁師や農民たちが持続可能な生活を維持してきたという文化的景観として登録。
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シュトルーヴェの測地弧(ほかヨーロッパ9ヶ国と共同)
デンマーク生まれの天文学者フリードリッヒ・フォン・シュトルーベは、エストニア(当時はロシア領)のタルトゥで天文学を学び、1816年から1855年にかけて三角測量を使用し、彼が研究をしていたタルトゥ天文台を含む、ヨーロッパ各地に測地点を置いて、地球の大きさと形について調査しました。
測地点は、北はハンメルフェスト(ノルウェー)から南はスタラ・ネクラシウカ(ウクライナ)まで2820km以上もの距離に265箇所も配置されました。ノルウェーにはハンメルフェストを含めて4箇所登録されています。
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西ノルウェーフィヨルド群 – ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド
ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドはノルウェー南西部に位置しており、フィヨルドらしい風景が眺められることから世界遺産に登録。
登録されているのは南のスタヴァンゲルから北のアンダルスネスまで、南北約500kmも広がる広大なフィヨルド地域。海底に沈むモレーンなども特徴的で、地球が作り出したフィヨルドの神秘的な風景は「自然の芸術」というべき風景が広がっています。
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リューカン=ノトデンの産業遺産
ノルウェー南部にあるテレマルク県にあるリューカンとノトデンは、20世紀初頭に築かれた企業都市。ここには山々や滝、渓谷などの自然景観に送電線や工場、輸送システム、労働者の邸宅などが残っています。
そして、世界で2番目の規模を誇っていた「スヴェルグフォス水力発電所」などが残り、自然と産業遺産が交わる景観が続くのが特徴。
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世界遺産マニアの結論と感想
ノルウェーは文化遺産が7件、自然遺産が1件と合計でで8件。ノルウェーで「フィヨルド」という言葉が誕生しただけあって世界遺産級のフィヨルドもある一方、ベルゲンのブリッゲン地区などの文化遺産もあるのも特徴。水力発電が盛んな国だけに北の大地に造られた産業遺産があるというのもノルウェーの魅力でもあります!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。