アフリカ北東部にあるエチオピアは、コーヒー発祥の地として有名で、古代からキリスト教が信仰されてきたキリスト教国。世界遺産としては、ラリベラの岩窟教会などで知られますが、どんな世界遺産があるでしょうか?
ここでは、エチオピアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ラリベラの岩窟教会群
エチオピアの首都アディスアベバから北へ約645km。ラリベラには、高原に岩を掘り下げて作られた聖堂や礼拝堂が11ヶ所集まっています。12世紀になるとラリベラには巡礼者が多く訪れるようになり、エチオピアのキリスト教徒にとっては一生に一度は訪れたいという聖地となっています。
上から眺めると十字架に見えるように掘り下げていったという点でもユニークな聖堂「聖ゲオルギウス聖堂(ベテ・ギョルギス)」があることでも有名。
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シミエン国立公園
シミエン国立公園は、エチオピア北部、アムハラ州にある220平方kmの広大な公園。何百万年にも渡る侵食によって、大地は刻まれ、尖った岩山や深い谷、標高1500mの絶壁など、壮大な景観が広がっています。
ここではゲラダヒヒやシミエンキツネなど貴重な動物が多く見られ、ワリアアイベックスといった「地球の歴史の証人」でもある動物も生息。
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ゴンダール地域のファジル・ゲビ
エチオピア北部のアムハラ州にあるゴンダールは、1632年~1855年にかけて、この地で繁栄したエチオピア帝国の首都だった高原都市。
ここは皇帝ファシラダスによって首都とされ、イスラムやインド、バロック様式など、それぞれの建築様式が混じったゴンダール様式という独特の建造物が並ぶようになり、現在でもかつての姿が遺構として残されています。
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アワッシュ川下流域
アワッシュ川はエチオピア東部を流る川で、下流域はアフリカ大陸を縦断する大きな渓谷、大地溝帯に属するエリア。この地層からは約400万年前に生息していた人類の化石が多く発見されています。
1974年には320万年以上前に二足歩行をしていたという猿人アウストラロピテクス・アファレンシスの化石「ルーシー」が発見され、これは古人類学においては歴史的発見でもありました。
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ティヤ
エチオピア南西部の南部諸民州にあるティヤ村の周囲のソド地方には1905年から160以上もの石碑群が発見され、そのうちの整然と並んでいる36基が世界遺産に登録。
これは金属製の道具を使って作られとされ、幾何学模様や剣などの浮き彫りが見られるものですが、今でも詳しいことが分かっておらず、謎の遺産でもあります。
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アクスム
アクスムは、エチオピア北部ティグレ州にある街。ここは1〜8世紀にかけて栄えた、キリスト教国家であり、エチオピア最古の国家アクスムの首都であった場所です。
この地にはステッレと呼ばれるオベリスク(巨石柱)を含めて石柱が数多く点在し、遺跡からはかつてのアクスム王国の繁栄が見られます。
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オモ川下流域
エチオピア南西部にあるオモ川の下流域は165平方kmにもなる広大な面積が登録。古い堆積物には、人類の進化に関する多くの化石が発掘されたということで有名です。
ここは1967年から調査が行われ、パラントロプス・エチオピクスの下顎骨(かがくこつ)の化石が発掘されると、アウストラロピテクス属の化石も数種類見つかり、そこから進化したホモ・ハビリスが使用したと考えられる約250万年前の石器類も発見されています。
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歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル
エチオピア東部のハラリ州の州都ハラールは、首都アディスアベバから525kmほど離れた位置にある高原都市。ハラール・ジュゴルの「ジュゴル」とは、13〜16世紀に建造された高さ約4mの城壁のことで、5つの門が今でも現存しています。
歴史地区には82ものモスクが残ることからイスラム教において第4の聖地とされることもあります。
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コンソの文化的景観
コンソとは、南部諸民族州にある地名であると同時に、この地で暮らす民族の名称でもあります。ここは標高800mから1800mに渡る山岳地帯で、石造りの壁に囲まれた段々畑と要塞化された集落が点在。これらはこの地に住む人々がおよそ21世代に渡って自然と適応してきたという文化的景観が見られます。
各村には擬人化された木製の彫像「ワーガ」もあり、これは何世代にも渡って英雄や優れた人物を伝え続けるという伝統的なシステムでもあります。
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ゲデオの文化的景観
ゲデオ県はエチオピアの南部諸民族州に属していて、現在もゲデオ族が多く暮らす地です。ここは標高1200mのアバヤ湖から3200mに達する高原地帯に位置していて、枯れた土地であるにもかかわらず、150万人の人々が暮らしていて、1平方kmあたりの人口が1300人を超えるという人口密度が高いのが特徴。
ここはコーヒーノキなどを含めて作物を育てつつ、畑の中で牧畜も行うという「アグロフォレストリー」が続けられていて、古代遺跡を含めてこの地でずっと人々が農業と牧畜を行い、暮らしてきたという文化的景観が見られる地でもあります。
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バレ山地国立公園
バレ山地国立公園は、エチオピアの中央に位置するオロミア州の中でも南東に位置する国立公園で、保護区としては約2200平方kmにも及びます。
ここは山岳地帯だけでなく、森林が広がっていて、コーヒーノキの原種が存在し、さらには絶滅危惧種のアビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)とエチオピアオオタケネズミ(ジャイアントモーラット)の世界最大の生息地でもあるというのが特徴。
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メルカ・クントゥレとバルチット:エチオピア高原地域の考古学的・古生物学的遺跡
エチオピア中心部にあるメルカ・クントゥレとバルチットは、首都アジス・アベバから南方へ約50kmの距離にある遺跡。ここは標高約2000mの高地にあり、エチオピア東部を流れるアワッシュ川の上流に位置しています。
ここは地殻変動によって沖積堆積物や火山堆積物によって覆われたエリアであり、地下には先史時代の化石や石器などが埋まっていて、これらは170万年前に現人類が高地に適応しながら居住したことを示す証拠でもあります。
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世界遺産マニアの結論と感想
エチオピアは文化遺産が10件、自然遺産が2件と合計で12件登録。世界最古の独立国家とされるほどに歴史が深く、各時代の遺構などが登録されているのが特徴です。そして、アウストラロピテクスの化石が多く発見され、人類のルーツを辿る化石遺跡も登録!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。