登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9) |
申請年 | 2023年 |
タジキスタンの南東部は、中央アジアの多くの国々を流れるアムダリヤ川の源流が合わさる場所で、氾濫原や湖が広がっています。ここは乾燥地帯でありますが、水が豊かな場所で、川沿いにはトゥガイと呼ばれる独特の森林地帯が見られ、貴重種も多く生息するのが特徴。
ここではティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ森林群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トゥガイ森林群について詳しくなること間違いなし!
ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ森林群とは?
タジキスタン南西部のハトロン県にあるティグロヴァヤ・バルカ自然保護区は、北から流れるヴァクシュ川と東から流れるパンジ川が合流して、中央アジアを流れるアムダリヤ川となる場所。ここは湿地帯になっていて、最大深度5〜6m程度の浅い湖が40箇所もあり、それぞれミネラルが豊富で水生植物が生い茂っています。
ここは丘陵地帯で乾燥気候であり、砂漠もあれば、ピスタチオの木々が点在する高原なども存在します。「トゥガイ森林」とは、河川や氾濫原などに見られる森林の形態で、ここは乾燥地帯であっても洪水と地下水によって木々が生い茂っているというのが特徴。ヴァクシュ川が蛇行するエリアに湖が点在する保護区だけあって、50種類の鳥類の越冬地であり、動植物の多様性が見られます。
ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ森林群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トゥガイ森林群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ森林群は、沖積土壌で覆われた氾濫原段丘で構成されていて、渓谷に非は生物多様性を持つ川沿いの森林が広がっています。トゥガイ森林は中央アジアでも最大規模で、ポプラの木々の中で独自の生態系がそのまま保護されている世界で唯一の場所であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
トゥガイ森林群は、ティログロヴァヤ・バルカ自然保護区にあり、乾燥地帯でありながら2つの大きな河川が合わさる湿地帯であり、独自の生態系が多く見られるという点で評価されています。
ちなみに、アムダリヤ川は荒野や砂漠が多い中央アジアにおいては非常に重要な存在。トルクメニスタンの世界遺産に登録されているクフナ・ウルゲンチは13世紀にモンゴル帝国に徹底的に破壊されても再建したのですが、後にアムダリヤ川が北へとズレていってしまったので、それと同時に街は放棄されました。よって、現在のウルゲンチはウズベキスタン領となっています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。