トルコの世界遺産「カーリエ(コーラ)博物館(モスク)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4)
登録年1985年

カーリエ(コーラ)博物館は「イスタンブール歴史地域」の構成資産の一つ。かつては聖堂として利用されてたもので、内部のモザイクやフレスコ画はビザンツ美術の最高傑作とも言われるほど。ところで、カーリエ博物館はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではカーリエ博物館がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カーリエ博物館について詳しくなること間違いなし!

目次

カーリエ(コーラ)博物館(モスク)とは?

カーリエ(コーラ)博物館(モスク)
画像素材:shutterstock

イスタンブール旧市街の北西部にあるかつての修道院付き聖堂。コーラとは、ギリシャ語において「郊外」や正教会において「受肉」を意味し、ここは6〜7世紀に修道院として建造されたとされます。現在の聖堂は、12世紀初期に建造されたものがベースとなり、円蓋式バシリカに近いもの。その後、14世紀に増改築が行われ、聖堂の玄関や墓廟礼拝堂が加えられ、フレスコ画が施されていったとされています。

オスマン帝国時代になると、モスクとして使用され、フレスコ画は漆喰によって塗られてしまいました。その後、20世紀にモザイクとフレスコ画が発見され、ここは博物館となります。これらはビザンツ美術の最高傑作と評されるほど。しかし、2020年以降は再びモスクとして使用されています。

カーリエ(コーラ)博物館は(モスク)どんな理由で世界遺産に登録されているの?

カーリエ(コーラ)博物館(モスク)
画像素材:AdobeStock

カーリエ博物館が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
アヤ・ソフィアやスレイマニエ・モスクなど、ビザンツ帝国やオスマン帝国時代の傑作が多く残るという点。

登録基準(ii)
テオドシウスの城壁は軍事建築、アヤソフィアは大聖堂の建築様式やモスクのモデルとなったりと、ヨーロッパと中東各国の芸術や建築様式に影響を与えたということ。

登録基準(iii)
イスタンブールの旧市街に残る建築物はビザンツ帝国とオスマン帝国時代にここが繁栄していた様子がよく分かり、特にスレイマニエ・モスクやゼイレク・モスク周辺の伝統的住宅はオスマン帝国後期の都市設計などが見られるという点。

登録基準(iv)
各時代の建築物が残るイスタンブールは街全体が建築史そのものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

カーリエ博物館は、現在はモスクとして使用されているものの、かつてはキリスト教の聖堂であり、フレスコ画やモザイクはビザンツ美術の傑作とされるという点で評価されています。

ちなみに、建物の中にある「生神女就寝祭のモザイクイコン」は、聖母マリアが永眠するという場面を描いたもの。実は正教会には、晩年の聖母マリアはエルサレムで永眠したという教義があり、ここではベッドの上に寝ていますが、カトリックではその教義がないので、この点はカトリックと正教会の違いとなっています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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