登録区分 | 複合遺産 |
登録基準 | (3), (5), (7), (9), (10) |
登録年 | 2012年 |
ジェリーフィッシュレイクは「ロックアイランド群と南ラグーン」の構成資産の一つ。マカラカル島には、南北の幅約460方mの塩湖に無数のクラゲが暮らすという不思議な湖があります。ところで、ジェリーフィッシュレイクはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではジェリーフィッシュレイクがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジェリーフィッシュレイクについて詳しくなること間違いなし!
ジェリーフィッシュレイク(マカラカル島)とは?
パラオの南西部、コロール州にある三日月型の長細いマカラカル島。ここには10を超える小さな湖がありますが、その中でも東部に位置するジュリーフィッシュレイクは、クラゲが多く生息する湖として有名です。ここは地下のトンネルで外海と繋がっていて、部分循環湖という上下2つの層で分断され、それぞれ酸素の濃度が異なるというのが特徴。そのため、上部の層の水深15mはクラゲにとっては生息しやすい環境が存在しています。
タコクラゲ属のゴールデンジェリーフィッシュはこの湖だけに生息する独自に進化したクラゲで、人間を傷つけるほどの強い毒を持たないというのが特徴。他にも湖には、ミズクラゲ属のムーンジュリーフィッシュの2種類のクラゲが暮らし、両方を合わせて数百万匹にも及びます。
ジェリーフィッシュレイク(マカラカル島)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ジェリーフィッシュレイクが評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
17〜18世紀にロックアイランドが放棄されたということは、気候変動と海産物の枯渇が社会活動の限界を示していたということ。
登録基準(vii)
ターコイズブルーのラグーンは美しく、マリンレイク(汽水湖)などには多様な海水生物が生息しているという点。
登録基準(ix)
登録エリアにはマリンレイク(汽水湖)を含み52の湖があり、新種が発見されたり、ジュリーフィッシュレイクのゴールデンジェリーフィッシュなどの固有種も多く住んでいるということ。
登録基準(x)
アオウミガメなどの絶滅危惧種や絶滅寸前のタイマイ、パラオの固有の魚類や植物のほぼ半分が生息していたりと、生態系が豊かであるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ジェリーフィッシュレイクは、マリンレイクの一つで分循環湖という独特な環境のなか、独自に進化したゴールデンジェリーフィッシュという固有種も見られ、生態系が豊かであるという点で評価されています。
ちなみに、ジェリーフィッシュレイクは、スノーケリングの聖地ではありますが、ダイビングは禁止されています。というのも、下へ潜れば潜るほど無酸素層の中にアンモニアとリン酸塩が含まれていて、皮膚を痛めるとされているため。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。