ルイ9世(1214〜1270年)は、カペー朝の9代目の国王。彼は敬虔なカトリック教徒として知られ、後にローマ教皇から聖人として列聖されたことから世界中にその名が名付けられた都市が存在するほど。彼の治世は安定した時期でありましたが、ルイ9世とはどういった人物だったのでしょうか?
今回はルイ9世がどんな人物だったかを世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ルイ9世について具体的に理解できること間違いなし!
ルイ9世とはどんな人物?

1214年にルイ9世はルイ8世(1187〜1226年)の子として生まれるも、わずか12歳でフランス王に即位したため、母ブランシュが摂政として国政を指導しました。若き日は反乱などで不安定となるも、フランス王として中央集権を強化し、平和を取り戻すことに成功。彼は敬虔なカトリック教徒として知られ、多くの宗教施設を建設し、パリのサント・シャペルを建造したことでも知られます。
その頃、中東ではイスラム勢力によってエルサレムが陥落し、それに対抗するため、第7回(1248〜1254年)と第8回(1270年)の十字軍を指揮しました。第7回十字軍ではエジプト遠征をするも失敗し、捕虜となりましたが、身代金を支払って解放されました。
しかし、第8回十字軍でルイ9世は病に倒れ、現在のチュニジアの首都・チュニスで死去。その後、1297年にローマ教皇ボニファティウス8世により正式に聖人として列聖。ルイ9世の名は、セント・ルイス(アメリカ・ミズーリ州)やサン・ルイス(ブラジル)など、多くの地名に残っています。
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サント・シャペル/フランス



首都パリのセーヌ川沿いに点在する建築物は、この街の発展と2000年を超える歴史を見ることができます。その中でもシテ島にあるサント・シャペルはもともとは19世紀にシテ島に築かれたフランス王国の王宮にあった礼拝堂を取り壊して、購入した聖遺物のコレクションを納めるため、13世紀にルイ9世が建造したもの。
ここは参拝するために教会堂がベースとなっていて、内部は美しいステンドグラスで埋め尽くされていることで知られています。
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アンジェ城/フランス



アンジェは、フランス西部にあるロワール川とメーヌ川が合流するポイントに築かれた都市。ここは石器時代から人が暮らしているほどに古い街で、もともとはケルトのアンデス族がいたことから、それが「アンジェ」という名のルーツになったとされています。
9世紀にノルマン人に支配されるものの、13世紀になるとフランス・カペー朝によって奪還され、そして、ルイ9世によって建造。ここは17もの巨大な縞模様の塔が配された城壁で囲まれているほどに堅固な城です。
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サン・ルイス歴史地区/ブラジル



ブラジル北東・マラニョン州の州都であるサン・ルイスは、3つの川によって形成された三角州であるサン・ルイス島を中心とした都市。ここは17世紀にフランス人によって要塞が設立され、その後、ポルトガル人が奪還するのですが、オランダが一時占領したこともあり、複雑な歴史を持ちます。
街の名の由来は、フランス王であり、聖人であったルイ9世と当時の王・ルイ13世にちなんで命名されたもの。
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世界遺産マニアの結論と感想
ルイ9世は、十字軍を指導するも失敗し、軍事的成果は乏しいものの、敬虔な王としてカトリック教会から高く評価されています。そして、公正な統治者としても有名で、産業は発展し、芸術を保護したことからパリは芸術の街となり、彼の治世でフランスは繁栄しました。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。