登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1984年(2005年拡大) |
グエル公園は「アントニ・ガウディの作品群」の構成資産の一つ。バルセロナを一望できる丘に、ガウディの独自の建築物が多く並ぶという公園で、バルセロナを代表する観光地となっています。ところで、グエル公園はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではグエル公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グエル公園について詳しくなること間違いなし!
グエル公園とは?
バルセロナの中心部から北に位置する丘の上にあります。1984年に最初に登録。1900〜1914年の間に建造された、バルセロナの街が一望できる丘の上に築かれた公園。もともとは集合住宅地として建造され、自然と芸術に囲まれた空間を作ろうとしたもの。しかし、売れたのはガウディと彼の支援者である実業家のグエイ(グエル)の2軒だけで、グエイの死後に公園として寄付されました。
かつてガウディが住んでいた家は記念館となっていて、ガウディ自身がデザインした家具なども見られます。中央エントランスの両脇には、「お菓子の家」をイメージした管理事務所(現在はショップ)と守衛の家があり、芸術家のサルバドール・ダリも「砂糖をまぶしたタルト菓子のようだ」と絶賛しています。中央階段には、バルセロナのシンボルともなっている「オオトカゲ」があり、全長2.4mにもなる美しいタイルが特徴。
グエル公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
グエル公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ガウディの作品は、19世紀後半〜20世紀初期にかけて世界の建築の発展に貢献したということ。
登録基準(ii)
バルセロナに残るガウディの建築物は、「モデルニスモ」の代表的なもので、やがて20世紀の近代建築の発展に大きな影響を与えたということ。
登録基準(iv)
ガウディの優れた作品は20世紀初頭の住宅と共同施設の発展にも貢献しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
グエル公園は、ガウディの夢の住宅地であった場所であり、現在は公園となっていますが、彼の前衛的な建築様式は近代建築の発展に貢献したという点で評価されています。
ちなみに、集合住宅なのになぜ売れなかったかというと、家のデザインが独特ということだけでなく、丘の上なのに公共の交通手段がなく、敷地面積が広い割に新たに建物が作ることができないといった規制があったために、そもそも居住には条件が悪すぎた…という理由もあるそう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。