北アメリカ大陸に、人類が到達したのは今から1〜3万年前とされています。15世紀以降、ヨーロッパからの移民が広がっていきますが、その前にはネイティブ・アメリカンたちの古代文明が築かれた時期もあり、近年では広大な遺跡も多く発見されています。
そんな中、アメリカで世界遺産として登録されている遺跡はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録された遺跡を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。
ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁
ルイジアナ州ウェスト・キャロル群にある遺跡公園。「ポヴァティ・ポイント」という名は、この地域で建設された19世紀の綿花のプランテーションから由来しています。遺跡はミシシッピ川によって形成されたデルタ地形に位置し、これらは紀元前1700年〜紀元1100年の間に建設され、住民に利用されていたとされるもの。
研究者の間では、ここが住居なのか、それとも宗教的施設なのかは決着がつかないところ。
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ホープウェルの儀礼的土構造物群
アメリカ北東部のオハイオ州にある8つ遺跡には、ウッドランド期(紀元前1000年〜紀元1000年頃)の中でもホープウェル文化(紀元1世紀〜6世紀頃)に属する土塁が多く残っています。1840年代に現在のホープウェル文化国立歴史公園にて、遺物が多く発掘されたために、この文明を地主の名前であったホープウェルと名付けられました。
土塁の建設理由は明らかではないですが、その面積は世界でも最大級のものもあります。このことから住民は高度な建築技術を持ち、発掘された遺物からは他の地域との交流をしていたということが分かるのも特徴。
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メサ・ヴェルデ
コロラド州南西部。メサ・ヴェルデとは、スペイン語で「緑の大地」という意味で、標高2600メートル以上の位置にある緑豊かな高原のこと。ここはプエブロ族というネイティブ・アメリカンが住む場所で、この断崖をくり抜いて形成された岩窟住居は彼らの先祖であるアナサジ族によって造られました。
このような住宅の集合体が集まる遺跡は敷地内にいくつかあり、クリフ・パレスやバルコニー・ハウス、スクウェア・タワー・ハウスなど、外観にちなんで名前を付けられています。
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チャコ文化
ニューメキシコ州の北西部に位置し、標高2000mに位置するチャコ渓谷は山々に囲まれていて、枯れた土地が広がっています。この地に住むプエブロ族の先祖と考えられているアナサジ族によって、ここには9〜13世紀にチャコ文化が繁栄し、10を越える大規模な集落遺跡や小さな集落遺跡が400以上も点在しています。
少なくとも650を越える部屋を持つ「プエブロ・ボニート」を含めて大きな集落遺跡がいくつも残り、ここではかつては宗教儀式が行われていたと考えられていて、先住民による独自の文化が見られます。
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カホキア墳丘群州立史跡
イリノイ州南西部に位置し、ミシシッピ川とミズーリ川が合わさるセントルイス市の郊外にする遺跡。ここは北アメリカでも最大規模の先住民文明の遺構となっていて、10〜17世紀のミシシッピ文化時代に大いに栄え、文化や宗教、経済の中心地でもありました。人口は11〜12世紀にかけて1〜2万人にも住んでいたとされ、これは当時のヨーロッパの都市にも匹敵する規模でしたが、15世紀には衰退していきます。
なかでも高さ30m以上の「モンクス・マウンド」はエジプトのピラミッドを越える規模で、ここが政治と宗教の中心地であり、祭祀の場所であったということを証明するものでもあります。
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世界遺産マニアの結論と感想
アメリカの古代遺跡は日本人からするとあまりイメージはないかもしれないですが、近年はカホキアの墳丘など、他の大陸にも匹敵する広大な建造物を持つ遺跡も発見されていて、今まで謎を秘めていた文明が明らかになってきています。ちょっとマイナーですが、ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。