世の中には「濡れせん(煎餅)」など、何かを液体に浸すと抜群にうまくなる食材があるのだが…それが「ハンバーガー」だった場合はどうだろうか?そもそも十分ソースが入っているのに液体で浸す必要あるのか疑問だろう。しかし、これがまた格別の旨さなのだ!トルコ国民に圧倒的に支持されている「濡れバーガー」とはどんなグルメなのか?
今回は、トルコの世界遺産・イスタンブール歴史地域を訪れた際に味わったグルメ「濡れバーガー」を紹介。世界遺産巡りのついでに味わってほしい「世界遺産級の激ウマ・グルメ」を解説していこう。
トルコの世界遺産「イスタンブール歴史地域」は、まさに「混沌」
「アジアとヨーロッパの架け橋、イスタンブール」。まー、こんなキャッチフレーズはどの旅行雑誌やガイドブックでも何度も見かけたことがあるだろう。実際にイスタンブールは、イスラム国家でありながらも国際色豊かなエリアで、新市街はコスモポリタンな雰囲気がありつつも、世界遺産に登録されている旧市街は、古き良きトルコの街並みが残っているという「混沌」ぷり。
それもそのはずで、ギリシャ、ローマ、ビザンツ帝国、オスマン帝国…世界史の主役ともいえる勢力に支配されただけあって、文化という文化が混ざったエリア。代表的な建築物のアヤ・ソフィアなんて、キリスト教の聖堂からモスクになったりと、旧市街そのものが「文化のるつぼ」ともいうべき存在なのである。
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東西交流の結果?濡れバーガーは誰もが思いつかなかった究極のB級グルメ
そんな文化同士が混ざり合う場だけあって、世界三大グルメと呼ばれるトルコ料理のニューカマーが続々集まる場所なのだが…その中でも異色のB級グルメといえば「濡れバーガー」なのだ!…ハンバーガーなのに「濡れ」要素いるか?と思うだろうが、このハンバーガーは普通のハンバーガーに辛めのトマトソースを染み込ませて作った逸品だ。
いや、ベチャベチャでまずそうではないのか?と思いきや、上下のバンズがソースにこれでもかってくらい染みているので、サイズは全体的にかなり縮んでいて、まるで「中華まん」のようにしっとりした味わいが楽しめる。例えるなら、ハンバーガーの中華まんバージョンといった感じで、我々の知らない新たなるハンバーガーの境地に達している。
…これは「世界遺産級」の味わいだ!
濡れバーガーは割とどこでも食べられるので、おやつ感覚でぜひトライ!
とはいえ、この濡れバーガーがトルコ全土で本格的に広まったのは2010年代以降であり、実はそれほど歴史がない。つまり、東西交流の結果というよりも、「屋台といえばケバブだろ」というグルメに関してプライドが高いトルコ人にとっても、その味はあまりにも衝撃的だったようで、ストリートフードの歴史を塗り替えたという点で傑作である。
旧市街と新市街とも屋台であれば、たいてい売っているのだが、チェーンでいえば、「バンビ(Bambi)」とか「クズルカヤラル(kizilkayalar)」とかが有名なので、迷ったらそこへGO。まぁ、味わいはあくまでもハンバーガーといえばハンバーガーではあるが、食にこだわりのある国民を唸らせた味わいをぜひ一度味わってほしい!
世界遺産のついでに世界遺産級のグルメも同時に楽しんでみてはいかが?
※こちらの内容は、あくまでも過去に現地を訪れた際に体験したものであり、最新情報はご自身でご確認ください。