「世界三大」とはあくまでも日本で広く知られる表現であり、「世界三大仏教遺跡」もそのカテゴリーで、仏教遺跡といえばこれ!という基準で選ばれたもの。その中でも世界遺産に登録された仏教遺跡はいくつあるでしょうか?
ここでは、世界三大仏教遺跡について世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
アンコール・ワット/カンボジア
カンボジア北西部にある、12世紀前半にスーリヤヴァルマン2世(在位:1113年〜1150もしくは1152年)に建造された、アンコール遺跡最大の寺院。クメール語で「アンコール(都)」の「ワット(寺院)」という意味で、幅190mの堀に囲まれ、面積は2平方kmの広大な寺院になっています。寺院の構造は、三重の回廊に囲まれた5つの祠堂が並ぶ配置。これはヒンドゥー教における宇宙観を示しています。
5つの祠堂は、神々が住む須弥山(メール山)を示しています。中央には約65mの高さを誇る塔を持ち、ヴィシュヌ神が祀られていたとされているものの、現在は仏像が置いてありますが、これは16世紀に仏教寺院に変更されたという名残。第一回廊には、インドの叙事詩『マーバーラタ』や『ラーマーヤナ』、建設者であるスーリヤヴァルマン2世の姿などをモチーフにした美しいレリーフが見られます。
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ボロブドゥール/インドネシア
ジャワ島中部のケドゥ盆地に残る遺跡。これらはジャワ島を中心に栄えたシャイレーンドラ朝の時代に造られたもので、8〜9世紀に建造されたと考えられています。
ボロブドゥール寺院は、大乗仏教の宇宙観を表したもので「寺院」という名前ではあるのですが、入口はなく、階段ピラミッドのような構造。頂上には、小さなストゥーパが72も並ぶ、まさに「立体曼荼羅」。内部には入れないものの、回廊を登っていくことで仏教の真理へと到達できると考えられています。
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バガン/ミャンマー
バガンは、ミャンマー中央部の首都ネピドーがあるマンダレー地方域にある仏教遺跡。ここは3000以上もの仏塔が並ぶ、仏教建築の集合体でもあります。この地は11〜13世紀に栄えたパガン朝の都であった場所。世界遺産としては、仏塔をはじめ、寺院、僧院、巡礼者用の施設、フレスコ画、彫刻、遺跡など、8つのカテゴリーの遺産で構成されています。
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世界遺産マニアの結論と感想
誰が言ったのかは不明ですが、世界三大仏教遺跡はすべて世界遺産に登録されています。とはいえ、すべて東南アジアにあり、発祥の地であるインド亜大陸や中国などは含まれていないので…このあたりはまだまだ議論がありそう。どれが「世界三大」かについてもまだまだ考察の余地があるので、ぜひいろいろと考察してみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。