登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4), (6) |
登録年 | 1988年 |
スリランカ中央部にあるキャンディは、15〜19世紀にこの地を支配したキャンディ王国の首都だった場所。ここには仏陀の犬歯を納めたダラダー・マーリガーワ寺院(佛歯寺)があることで有名となり、聖地として多くの巡礼者が今でも訪れます。
ここでは、聖地キャンディがなぜ世界遺産なのか那珂郡、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、キャンディについて詳しくなること間違いなし!
聖地キャンディとは?
スリランカ中部州の州都であるキャンディは、紀元前5世紀から続いたシンハラ王朝の最後の王国・キャンディ王国の首都があった場所。
町の起源は14世紀に遡り、15世紀になるとスリランカ島の東部を支配していたキャンディ王国の首都となり、王宮が置かれるように。キャンディ王国は西欧列強と上手に付き合いながら1815年まで存続したものの、英国軍によりキャンディは陥落。イギリス領セイロンに組み込まれ、ここに2000年を超えるシンハラ王朝は終焉を迎えました。
キャンディは標高465mに位置する高原都市で、西側が市街となっており、東側にはキャンディ湖が広がっています。湖畔には、仏陀の犬歯を納めたダラダー・マーリガーワ寺院(佛歯寺)があり、その奥には王宮が置かれていました。
登録されている主な構成資産
ダラダー・マーリガーワ寺院(佛歯寺)
仏陀の犬歯を納めた寺院で、仏教徒にとって聖地とされています。仏陀の犬歯は4世紀にインドの王女が持ち込んだとされており、王族によって保護されるものの、各地を転々として16世紀末に当時の王であったヴィマラ・ダルマ・スーリヤ1世の手に渡ります。彼は歯を保管するために寺院を築きました。
マーリガーワとは宮殿という意味で、寺院とは名がつくものの、まるで宮殿のよう。これは18世紀に再建されたもので花崗岩を使用しており、象牙や大理石などが施された壮麗な寺院になっています。そして、現在は仏陀の犬歯は仏歯堂聖室に置かれています。
キャンディ王宮
ダラダー・マーリガーワ寺院の裏側にある、キャンディ王国時代に使用されていた宮殿。もともとは14世紀に宮殿が置かれていたものの、16世紀末にヴィマラ・ダルマ・スーリヤ1世よって西欧風の建築様式で建造されました。
王宮は、執務室や女王の宮殿、ハーレム、浴場などが点在。何度も増築がされており、現在は博物館として開放されています。
聖地キャンディはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
キャンディが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
ダラダー・マーリガーワ寺院やキャンディ王宮などは、スリランカの建築史において重要な建築物であるということ。
登録基準(vi)
ダラダー・マーリガーワ寺院に保管している仏陀の犬歯は、古くから崇められ、現在でも多くの巡礼者が訪れるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ダラダー・マーリガーワ寺院は18世紀に再建されたものではありますが、スリランカの芸術様式の総決算ともいうべき豪華な寺院。そして、ここは古くから信仰を集める仏陀の犬歯を納めた聖地として、人々に崇拝されているという点も評価されています。
ちなみに、キャンディは高原都市であり、避暑地な雰囲気がありますが、実はスリランカ第2の経済都市でもあります。町中には繊維業やIT企業などの支社があったりと、聖地とはまた違った雰囲気も。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。