登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 2019年 |
ラオスの中央部のジャール平原には2100を超えるユニークな巨大な石の壺が点在しています。この独特な風景はとても不思議なのですが…これは一体何に使われたものだったのか?
ここでは、ジャール平原がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジャール平原について詳しくなること間違いなし!
ジャール平原とは?
ラオス中央部、シエンクワーン県の北端に位置する平原に2100を超える巨大な石の壺があります。ちなみに、ジャールというのはフランス語で「壺」にちなんで名付けられました。構成資産としては、紀元前500年から500年までに作られた、大きな彫刻が施された石の壺、墓石、採石場などが含まれています。
そもそも2100以上の石の壺は何に使われたのでしょうか?伝説によると、巨人の貯蔵庫とされていましたが、実際は「骨壷」として使用されたという説が有力。1930年の調査によると壺の周りには人骨や副葬品、陶器などが発見され、どうやらこの壺は埋葬儀礼に使用されたものだったと考えられています。
この巨石の壺は8km離れた採石場から現在の場所に輸送されたということが推測されていて、これらを築いた文明はかなり高い技術力があったと考えられています。ジャール平原は、東南アジアの中でもユニークな先史時代の遺跡の一つ。
ジャール平原はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ジャール平原が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ジャール平原は、紀元前500年頃から500年にかけて、壺を葬儀に使用しと考えられる文明の証拠を残すものとして現在も残っているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
平原に巨大な石壺が点在するという風景がなかなか幻想的なジャール平原。実際はかつてインドシナ半島に暮らしていたモン・クメール族によってこの石壺は埋葬に使用されたと考えられます。ただこれらを築いた文明が、どういったものだったかはハッキリと分かっていません。
そのかすかに残る文明の足跡こそが石壺であって、平原からかつて繁栄した国家を想像するのも遺跡の楽しみ方の一つですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。