登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (5) |
登録年 | 1997年 |
ブラジル北西部に位置するサン・ルイスは、17世紀にフランス人によって建造された都市。ここはフランスやオランダの支配を受け、最終的にはポルトガル領となり、砂糖と綿花の貿易港として発展します。今でも富を得たポルトガル人農園経営者によって建造された歴史的建造物が多く残っているのが特徴。
ここではサン・ルイス歴史地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サン・ルイスについて詳しくなること間違いなし!
サン・ルイス歴史地区とは?
マラニョン州の州都であるサン・ルイスは、3つの川によって形成された三角州であるサン・ルイス島を中心とした都市。ここは17世紀にフランス人によって要塞が設立され、サン・ルイスは、フランス王であり、聖人であったルイ9世と当時の王・ルイ13世にちなんで命名されたもの。その後、ポルトガル人が奪還するのですが、オランダが一時占領したこともあり、複雑な歴史を持ちます。
その結果、フランス風の教会や邸宅なども残りつつ、断熱材と装飾の役割があるアズレージョ・タイルや鉄細工を施したバルコニーなどが特徴のポルトガルの伝統的建築が並ぶという優雅な町並みになりました。これらは砂糖と綿花の交易で富を得たポルトガルの農園経営主たちにとって築かれ、現代でも壮麗な建造物が点在しています。
サン・ルイス歴史地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サン・ルイスが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
サン・ルイスの歴史地区は、ポルトガルがかつて築いた植民都市の名残が現在でも残っているという点。
登録基準(iv)
サン・ルイスの歴史地区は、赤道直下の気候に適応しながら築かれた植民都市であったということ。
登録基準(v)
サン・ルイスの歴史地区は、自然と調和して築かれた都市で、その構造がそのまま残る植民地都市の傑作であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
サン・ルイスは、フランス人によって設立されたものの、そのままポルトガル人によって植民都市として利用され、南米の気候に合わせて築かれた歴史的建造物が多く残るという点で評価されています。
ちなみに、かつては国内でも3番目の人口を誇る大都市だったサン・ルイスですが、ここは多くの詩人や作家を出したことから、街が島の上に位置することもあって「愛の島」と呼ばれるとか。そして、この街発祥のダンスなどもあり、ブラジルの文化の故郷のような場所でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。