登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9),(10) |
登録年 | 2000年(2003年拡大) |
ブラジルの北西部にある中央アマゾン保全地域群は、アマゾン盆地最大の保護区。ここはアマゾン川の支流であるジャウワー川沿いにバルゼア(浸水林)やイガポー(泥炭湿地林)などの湿地帯が広がり、絶滅危惧種のアマゾンマナティーやアマゾンカワイルカなどが生息する、世界でも豊かな生態系が見られる場所の一つ。
ここでは中央アマゾン保全地域群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、中央アマゾン保全地域群について詳しくなること間違いなし!
中央アマゾン保全地域群とは?
ブラジル北西部にあるアマゾナス州は、アマゾン川を中心にしたアマゾン盆地が広がり、州都マナウスの西側に位置する「ジャウー国立公園」は2000年に世界遺産に登録。2003年には「マミラウア持続可能な開発保護区」と「アマナ持続可能な開発保護区」、そして、東に位置する「アナビリャーナス持続可能な開発保護区」も加わって拡張し、「中央アマゾン保全地域群」へと名称も変更しました。
ジャウー川は、水の色が黒く見えることから「黒い川」と呼ばれ、沿岸は定期的に浸水することから、ここはバルゼア(浸水林)やイガポー(泥炭湿地林)、湖沼も多く点在。ここには独特の生態系が形成され、発電魚・デンキウナギなどの生息地としても有名です。他にも南米で最大の淡水魚ピラルクー、絶滅危惧種のアマゾンマナティーやアマゾンカワイルカなどが生息。
中央アマゾン保全地域群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
中央アマゾン保全地域群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
バルゼア(浸水林)やイガポー(泥炭湿地林)、湖沼など、絶え間なく変化するジャウー川沿岸には、浮遊植物や固有種の動物が多く生息し、変化する地形における植物の定着と進化の過程を示すものであるという点。
登録基準(x)
この地域は、季節的な洪水によって定期的に氾濫する林に住む、陸上・水生動物を保護するエリアであり、多種多様な動植物が見られます。ここは霊長類の種類も多く、絶滅危惧種のハゲウアカリ、水生生物としてはアマゾンマナティー、アマゾンカワイルカ、南米最大の淡水魚であるピラルクー、ジャガー、オウギワシなど生息。デンキウナギなどの発電魚は64種も見られ、世界でも有数の生息地であり、アフリカの地溝帯に生息しているシクリッドに匹敵する「適応」が見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
この地はジャウー川などの大河があることから、季節的な氾濫によって湿地帯が広がっていて、熱帯雨林には多くの動植物が存在し、地形が絶えず変化することによって独特の固有種や絶滅危惧種が見られる、豊かな生態系があるという点で評価されています。
ちなみに、デンキウナギは最高で600~800Vも放電することで知られ、小魚や小型哺乳類を捕食するために放電するのですが、実は弱い電流で電場を作ることができ、これによって獲物を探知することができます。このことからデンキウナギこそがアマゾン川の頂点捕食者になっているのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。