登録区分 | 文化遺産 |
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登録基準 | (1),(2),(4),(6) |
登録年 | 1987年 |
洗礼堂(ピサ)は「ピサのドゥオモ広場」の構成資産の一つ。ピサ大聖堂に付随する施設であり、建物はロマネスク様式とゴシック様式が組み合わさった傑作でもあります。ところで、洗礼堂はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは洗礼堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、洗礼堂について詳しくなること間違なし!
洗礼堂(ピサ)とは?
イタリアのトスカーナ州西部にあるピサは、かつて地中海沿岸の海運国家として繁栄した都市。貿易で莫大な富を稼ぎ、中心部にあるドゥオモ広場には、1063年にピサ軍がパレルモでサラセン軍を破ったことを記念して建造された大聖堂があります。洗礼堂は、大聖堂の正面にある円筒型の建築物で高さは54.85m。
「洗礼堂」とは洗礼を行う場所で、現在のほとんどのキリスト教会堂は内部に存在していますが、中世以前の施設では、教会堂から独立して存在することもありました。着工は1152年ですが、完成まで200年以上かかり、大聖堂と同じくロマネスク様式で建造されたもの。後に上部だけゴシック様式の尖塔が付け加えられました。白大理石で建造された洗礼堂は、反響音があることで有名で、スタッフによる声楽のデモンストレーションも行われます。
洗礼堂(ピサ)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
洗礼堂が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ピサの建築様式や芸術は、11〜13世紀のピサが繁栄していたころは交易ルートを通じて周辺の島々に、14世紀はトスカーナ地方を中心に影響を与えていたということ。
登録基準(iv)
ドゥオモ広場は中世のキリスト教の建築物で構成されているという点。
基登録準(vi)
ガリレオ・ガリレイが落体の法則をピサのドゥオモ広場で発見し、実験を行ったという伝説が残り、科学史においても重要な発見があった場所としても評価されているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ピサの洗礼堂は、かつてのピサの繁栄が見られ、中世のキリスト教の宗教建築でも傑作であるという点で評価されています。
ちなみに、ピサの斜塔は約4度も傾いていることで有名ですが、実は洗礼堂も微妙に傾いています。軟弱な地盤が原因であるものの、洗礼堂は建物そのものの幅が広く、ドーム建築ということもあるために目立たないということもあり、あまりイメージはないかもしれませんが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。