登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8),(9),(10) |
登録年 | 1990年 |
ミルフォード・サウンド(ピオピオタヒ)は「テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド」の構成資産の一つ。ニュージーランドでも最も有名なフィヨルドであり、断崖から流れ出る数千の滝が広がる風景は、多くの人を魅了します。ところで、ミルフォード・サウンドはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではミルフォード・サウンドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ミルフォード・サウンドについて詳しくなること間違いなし!
ミルフォード・サウンド(ピオピオタヒ)とは?
南島の南西部に位置するニュージーランド最大の国立公園。その中でも代表的な景観を持つフィヨルドがミルフォード・サウンド。面積は25平方kmで、15kmにも及ぶフィヨルドが続いています。ここは1200m以上の断崖に囲まれたサウンド(入り江)で、雨が降ると断崖から流れ落ちる数千の滝が見られることで有名。1年の3分の2は雨が降ることでも知られます。
フィヨルドはマオリ族が既に1000年前に発見していて、現地の言葉で「ピオピオタヒ(一羽のツグミ)」と名付けられています。1812年にイギリスのウェールズ出身のジョン・グロノという人物が偶然発見し、故郷のミルフォード・ヘブンから「ミルフォード・サウンド」と名付けました。
観光開発は非常に古く、1888年には宿舎が設立されるほど。現在でも人気の観光地で、ミルフォード・サウンドは観光船でのクルーズは南島を代表するアトラクションとなっています。
海中には貴重な動物が多く暮らしていて、世界でも最南端のハンドウイルカの生息地としても有名。毎年8〜10月にかけて、このエリアにしか見られないキマユペンギンが出現する貴重なエリアでもあります。そして、海水と淡水が入り混じらないという独特の地形であるために、深海でしか見られない黒サンゴが生息しているというのも特徴。
ミルフォード・サウンド(ピオピオタヒ)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ミルフォード・サウンドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
テ・ワヒポウナムの景観は、最も高い山、最も長い氷河、最も深いフィヨルドなど、ニュージーランドでも最上級の風景が広がっているということ。
登録基準(viii)
ニュージーランド南西部は、氷河期の氷河によって削られた地形はフィヨルドとなり、更新世(約258万年前〜約1万年前)の地球の歴史が刻まれているという点。
登録基準(ix)
氷河期から人間の影響を受けていない生息地が点在し、ここは固有の高山植物やキーウィなどの固有種などが独自で進化してきたということ。
登録基準(x)
タカへやキーウィなど、世界で最もテ・ワヒポウナムにはニュージーランドの固有種であり、絶滅危惧種が住むという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ミルフォード・サウンドは、氷河期に形成されたフィヨルドの中でも最も代表的なフィヨルドの一つで、海中には貴重な動物が暮らしているという点で評価されています。
ちなみに、ミルフォード・サウンドに雨が降ると、数千の滝が生まれるのですが、実は快晴時にはほぼ枯れてしまうので、常に存在する滝というのは2箇所だけ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。